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東芝が語る、車載半導体の最新技術動向:パワー半導体は低耐圧MOSFETとSiC中心(2/3 ページ)
東芝は2023年5月、車載半導体への取り組みに関する説明会を実施した。説明会では、担当者がSiCを含むパワー半導体やモーター制御ICなど、同社の注力領域に関する技術動向を説明した。
低耐圧パワーMOSFETの開発動向
同社の低耐圧パワーMOSFET「U-MOSシリーズ」のベンチマークをみると、微細化とセルデザイン最適化によって前世代品はもちろん、競合製品と比べても高い性能を実現していて、同社は第11世代品でもさらなるセル設計の最適化による性能向上を進めていくとしている。
下図は車載向け40V、80V、100V耐圧品の開発ロードマップだ。同社によると、2022年に量産を開始した100V系の第10世代品は、100V系MOSFETとしてWeb公開されている競合の品種と比較し最も低いオン抵抗を実現している(同社調べ)といい、この基礎技術を2025年の提供を予定する40V系製品に適応するといった形で、製品の低オン抵抗化を加速していく。
また、チップの大電流、低オン抵抗化に対応する低抵抗パッケージの開発も進めている。同社はCuコネクター構造を進化させ、従来ハンダ接続していたパッケージとコネクターの接続部を一体化した「Cuクリップ構造(内部ポストレス構造)」を採用したS-TOGLおよびL-TOGLパッケージを開発。電流密度の向上によって、同じ実装面積ではより大電流への対応を、同じ電流であれば大幅な実装面積削減を実現している。
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