2023年世界半導体市場は前年比10.3%減、WSTS予測:4年ぶりのマイナス成長に
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics/世界半導体市場統計)は2023年6月6日、2023年春季の世界半導体市場予測を発表した。それによると、2023年の世界半導体市場規模は2022年比10.3%減の5150億9500万米ドルで、2019年以来4年ぶりのマイナス成長になる見込みだ。
WSTS(World Semiconductor Trade Statistics/世界半導体市場統計)は2023年6月6日、2023年春季の世界半導体市場予測を発表した。それによると、2023年の世界半導体市場規模は2022年比10.3%減の5150億9500万米ドルで、2019年以来4年ぶりのマイナス成長になる見込みだ。しかし、2024年の世界半導体市場規模は2023年比11.8%増の5759億9700万米ドルに再拡大するとした。
この予測は2023年3月までの実績値を基に作成された。WSTSの半導体市場予測は加盟する半導体メーカーがWSTS半導体市場統計を参照して作成した予測値を基に予測会議を実施し、マクロ経済や主要電子機器の動向も参考にしながら検討を加えて作成される。市場予測会議は例年、春と秋の年2回開催され、2023年春季半導体市場予測会議は2023年5月23〜25日の3日間、オーストリアのウィーンで開催された。
2024年には再拡大
2022年の世界半導体市場規模は2021年比3.3%増の微増ながら5740億8400万米ドルと過去最大だった。この実績についてWSTSは「在宅特需の一巡に加え、世界的なインフレ、ロシアによるウクライナ侵攻の長期化に代表される地政学的リスクの高まりなどが個人消費や企業の設備投資に影響して、半導体需要も多くの用途と製品で需要が失速した」と分析している。
2023年は2022年比10.3%減の5150億9500万米ドルと、2019年以来4年ぶりのマイナス成長を予測する。WSTSは「景気の先行きが見通しにくい中、2022年途中から続く下押し要因が当面は継続すると見込んだ。特にスマートフォンやPCなどの民生機器の需要低迷が影響し、メモリを筆頭にマイナス成長となる見込みだ。ただし、電動化の進む自動車用途や再生エネルギー関連用途は引き続き需要が強いとみられ、製品別では特にパワーディスクリートの成長が継続する予測だ。また、生成AI需要の急激な高まりが一部のロジック半導体需要を押し上げる見込みだ」としている。
2024年は2023年比11.8%増の5759億9700万米ドルに市場が再拡大する予測。2023年の下支え要因に加え、世界景気も回復に向かうという前提のもと、ほとんどの用途と製品でプラス成長を見込んだ。
日本市場はプラス成長継続
2023年の地域別市場予測(米ドルベース)について、米州とアジア太平洋の各地域でマイナス成長を、欧州、中東およびアフリカと日本ではプラス成長を見込む。2024年は全地域でプラス成長となる予測だ。
円ベースでの2022年の国内半導体市場規模は、2021年比31.7%増で約6兆3264億円であった。2023年は自動車用途などが下支えしてプラス成長を継続し、2022年比1.9%増の約6兆4,494億円になると予測した。2024年は2023年比7.8%増と成長が再加速し、市場規模は約6兆9537億円になると見込まれている。
製品別の市場規模実績および、予測は下図の通りだ。
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