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AI搭載のデュアルバンド無線SoC、Sub-GHz帯にも対応:SidewalkやWi-SUNとの接続を拡張
シリコン・ラボは、デュアルバンド無線SoC「FG28」を発表した。新製品は、長距離通信プロトコル向けに開発しており、「Amazon Sidewalk」や「Wi-SUN」、その他独自規格のワイヤレスプロトコルとの接続を拡張した。
AI/MLアクセラレータ内蔵、エッジ側で予知保全の警告が容易に
シリコン・ラボは2023年6月、デュアルバンド無線SoC(System on Chip)「FG28」を発表した。新製品は、長距離通信プロトコル向けに開発しており、「Amazon Sidewalk」や「Wi-SUN」、その他独自規格のワイヤレスプロトコルとの接続を拡張した。
FG28は、Sub-GHzと2.4GHzのBluetooth Low Energy(BLE)無線、AI(人工知能)/ML(機械学習)アクセラレーターおよび、シリコン・ラボのセキュリティ技術「Secure Vault」といった機能を搭載している。BLEに対応することで、ユーザーがネットワーク上で行う新規デバイスのプロビジョニング接続を容易に行うことができるという。しかも、Sub-GHz帯を利用すれば、約1.6km(1マイル)以上も離れたデバイスとの通信が可能である。
機械学習推論用のAI/MLアクセラレーターを内蔵したことで、エッジ側で予知保全の警告や土壌の状態をモニタリングすることも容易となった。メモリとしては1024kバイトのフラッシュメモリと256kバイトのRAMを集積している。汎用I/Oとしては最大49個の入出力端子を用意している。
FG28は既にサンプル品の出荷を始めた。一般ユーザーに対する販売は2023年第3四半期(7〜9月)の予定。
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