研究開発の全機能を岡山に、オムロンの電子部品戦略:開発リードタイム「従来の半分に」(3/5 ページ)
オムロンが電子部品事業の研究開発体制を刷新した。同社は全国6カ所にあった研究開発拠点を岡山事業所(岡山市中区)に集約。この研究開発体制刷新によって、「開発リードタイムを2分の1以下にする」としている。
脱炭素貢献商品の拡充や、設計/金型データ商品化など推進
「新たな提供価値による基盤ビジネス強化」のテーマの一つとして挙げるのが、「Green」で、「商品(Products)」「生産(Process)」「調達(Purchase)」の3つの観点で脱炭素に向けた取り組みを進めていく。
具体的には、まず「商品」では脱炭素貢献商品群である「Green Products」のラインアップを拡充していく。同製品群は2022年度は3シリーズを展開したが、2023年度にはさらに4シリーズを投入する予定だ。「生産」では再生可能エネルギー100%での生産品の提供を加速する。
さらに、「調達」ではカーボンフットプリントの見える化を進めていく。江崎氏は、「これらをいち早く顧客や市場に届けることで、サプライチェーン全体のCO2削減に早く貢献したい。電子部品は最終製品の中では小さな1つの部品だが、顧客の最終製品には多くの電子部品が搭載されるため、われわれがここに積極的に取り組むことは意味のあることだ」と述べていた。
次に挙げるテーマが「Digital」だ。ここではまず、顧客が部品選定に必要な技術情報をデジタルコンテンツとして拡充しWebサイトに掲載する他、製品に付随するトレーサビリティー情報やシミュレーションデータを提供し、製品の品質担保/設計工数削減に貢献していく。さらに、製品の設計データや金型データの商品化も検討しているという。
江崎氏は、「設計データや金型データ提供についてはまだ実績はないが、興味を示している企業はいる。われわれ自身が手放してはいけない領域と、顧客に自由に活用してもらいたい領域の線引きをしながらビジネス化していきたい」と説明していた。
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