世界半導体市場、23年2Qは前四半期から4.7%回復:単月では4カ月連続で回復
米国半導体工業会によると、2023年第2四半期(4〜6月)の世界半導体売上高は前四半期比4.7%増の1245億米ドルだった。2023年6月単月でも前月比増となり、4カ月連続でプラス成長となった。
米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は2023年8月4日(米国時間)、2023年第2四半期(2023年4〜6月)の世界半導体売上高が前四半期比4.7%増の1245億米ドルだったと発表した。なお、前年同期比では17.3%減となっている。
世界半導体市場は市場サイクルとマクロ経済の逆風から低迷が続き、2023年第1四半期(2023年1〜3月)の売上高は前四半期比8.8%減となっていた。一方、2023年3月以降は前月比で回復を続けていて、2023年6月も前月比1.9%増の415億米ドルとなった。これによって4カ月連続でプラス成長となった。
SIAの社長兼CEO(最高経営責任者)John Neuffer氏は、「2023年の世界半導体売上高は、6月の売上高が4カ月連続で増加し、前四半期比でも堅調な伸びを見せている。これは、2023年後半にかけて市場が回復を続けるという明るい見通しを示している」と述べている。
2023年6月の世界半導体市場を地域別でみると、米州が前月比4.2%増、中国が同3.2%増、日本が同0.9%増、欧州が同0.1%増とそれぞれ増加した。一方で、アジア太平洋/その他は0.5%減となった。前年同月比でみると、欧州が7.6%増となったものの、その他は、中国が24.4%減、米州が17.9%減、日本が同3.5%減、アジア太平洋/その他が20.4%減と全て減少している。
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