シリコンウエハー出荷面積、2024年には回復へ:2025年には過去最高を更新か
2023年のシリコンウエハー世界出荷面積は、前年に比べ14%減少し125億1200万平方インチとなる見通し。「2024年にウエハーの出荷面積は回復し、その勢いは2026年まで続く」とSEMIは予想する。
AIやHPC、5G、自動車、産業機器向けの需要がけん引
SEMIは2023年10月26日(米国時間)、2023年のシリコンウエハー世界出荷面積が、前年に比べ14%減少し125億1200万平方インチとなる見通しを発表した。2024年にウエハーの出荷面積は回復し、その勢いは2026年まで続くと予想した。
シリコンウエハーはほとんどの半導体デバイスの基板材料として用いられている。今回の需要予測は、ウエハーメーカーからエンドユーザーに出荷されたポリッシュドウエハーとエピタキシャルシリコンウエハーを対象とする。非研磨ウエハーや再生ウエハーおよび、太陽電池用途は含まれない。
2023年のシリコンウエハー市場は、半導体デバイスの需要低下と、それに伴う生産/在庫調整などの影響を受けた。このため、過去最高を記録した2022年の出荷面積(145億6500万平方インチ)に比べて、大きく落ち込む見通しとなった。
ここにきて、半導体デバイスの在庫調整が終了し、在庫レベルの適正化などもあって、シリコンウエハーの需要は回復してきた。AI(人工知能)やHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)、5G(第5世代移動通信)、自動車、産業機器などの用途に向けてデバイス需要が拡大しているからだ。
SEMIの予測によれば、2024年には135億7800万平方インチの出荷面積となり、2025年には153億3200万平方インチで過去最高を更新。2026年は162億1400万平方インチ規模に達する見通しである。
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