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エレクトロニクスの進化を後押しする接合技術福田昭のデバイス通信(429) 2022年度版実装技術ロードマップ(53)(2/2 ページ)

JEITAが発行する「2022年度版 実装技術ロードマップ」を紹介するシリーズ。今回から、第2章第6節第6項「2.6.6 接合材料」の概要を紹介していく。

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低温低コストが特徴の導電性接着剤

 「導電接着剤」は低温で接合を形成できることから、注目されてきた。代表的な導電性接着剤は樹脂材料に銀(Ag)の粒子を混練した「銀ペースト」である。はんだと比べ、接合(接着)温度が150℃以下と低い、フラックスが不要、大型設備(リフロー炉あるいははんだ槽)が不要などの利点を備える。一方で接着時間(接着剤の硬化時間)が30分以上と長い、材料コストが高い、セルフアラインメント効果がない、接合強度が高くない、といった弱点を抱える。

パワーデバイス用途に期待がかかる焼結材料と融点変換材料

 「焼結型材料」は、先述の銀ペースト(Agペースト)をベースとする材料を加熱焼結させることで、接合を形成する。期待される用途は化合物パワー半導体チップのダイボンディングである。Ag粒子、Agナノ粒子などの金属粒子を使った材料が研究されている。従来の焼結型材料は加熱工程で加圧を必要としていたが、最近では加圧を必要とせずに接合を形成できるAg微小粒子の焼結材料が開発された。また銀以外に銅(Cu)粒子ペースト、ニッケル(Ni)粒子ペーストを採用した焼結型接合材料も研究されている。

 「融点変換型材料」は「液相拡散接合(TLPS:Transient Liquid Phase Sintering)」とも呼ばれ、加熱接合の温度よりも接合形成後の融点を高くすることで耐熱性を向上させた材料である。この材料も「焼結型材料」と同様に、化合物パワー半導体デバイスのダイボンディング用途を想定した研究開発が進められている。すず(Sn)と高融点金属(CuあるいはNi)を混合させた材料が代表的な研究例である。例えばSn粉末とCu粉末の混合材料では、加熱成形によってSnとCuの金属間化合物を形成する。

⇒(次回に続く)

⇒「福田昭のストレージ通信」連載バックナンバー一覧

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