サンケン電気、LLC電流共振型電源用制御ICを量産:小型で高効率の電源を容易に作製
サンケン電気は、LLC方式の電流共振型電源用制御IC「SSC3S937」を開発、量産を始めた。TVやサーバ、産業機器など500W以下の電子機器用スイッチング電源用途に向ける。
スタンバイ機能やデッドタイム自動調整機能などを搭載
サンケン電気は2023年11月、LLC方式の電流共振型電源用制御IC「SSC3S937」を開発、量産を始めた。TVやサーバ、産業機器など500W以下の電子機器用スイッチング電源用途に向ける。
SSC3S937は、ハイサイドのパワーMOSFETを駆動するフローティングドライブ回路を内蔵している。また、軽負荷時のスイッチング損失を抑える「スタンバイ機能」や、電圧共振期間を検出して、ハイサイドパワーMOSFETとローサイドパワーMOSFETのZVS動作を自動的に制御する「デッドタイム自動調整機能」および、「共振外れ検出機能」などを搭載した。
これにより、補助電源や高圧コンデンサーなど、回路を構成する部品点数を削減することができるという。Xコンデンサー放電機能により、軽負荷時の効率も向上させた。SSC3S937を用いれば、小型で高効率、低ノイズの電源システムを、優れたコストパフォーマンスで容易に実現できるという。
保護機能としては、入力過電圧/低電圧保護(HVP/UVP)、ハイサイドドライバーUVLO保護、過電流保護(OCP)、過負荷保護(OLP)、VCC端子過電圧保護(OVP)、REG端子過電圧保護(REG_OVP)、過熱保護(TSD)といった機能を搭載している。
SSC3S937の主な仕様は、Vccが最大35V、発振周波数は31.5〜300kHz(代表値)。パッケージは外形寸法が5.4×11.4×1.8mmのSOP18で供給する。
サンケン電気は、LLC方式の電源ICとして、部品点数を削減したい用途向けにSSC3S937のようなスタンバイ機能を内蔵した製品を用意。これとは別に、スタンバイ電力を極力抑えたい用途向けに、補助電源外付けタイプの品種も提供している。
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