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4Gから5Gミリ波の移動体通信向けフロントエンドパッケージ(前編)福田昭のデバイス通信(439) 2022年度版実装技術ロードマップ(63)(1/2 ページ)

今回は第3章第3節第5項(3.3.5)「RFデバイスのパッケージ構造と高速・高周波向け配線材料」の概要を紹介する。

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低雑音アンプやパワーアンプ、スイッチなどを1個のモジュールに収容

 電子情報技術産業協会(JEITA)が3年ぶりに実装技術ロードマップを更新し、「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)を2022年7月に発行した。本コラムではロードマップの策定を担当したJEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会の協力を得て、ロードマップの概要を本コラムの第377回からシリーズで紹介している。

 前回は、第3章第3節第4項(3.3.4)「車載パワーデバイス」の概要を説明した。今回は第3章第3節第5項(3.3.5)「RFデバイスのパッケージ構造と高速・高周波向け配線材料」の概要をご報告する。この項では、4Gおよび5Gサブ6(サブ6GHz帯)、5Gミリ波帯の移動体通信端末に載せるフロントエンドモジュール(FEM:Front End Module)を取り上げている。

第3章第3節(3.3)「各種パッケージ技術動向」の主な目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)から筆者がまとめたもの
第3章第3節(3.3)「各種パッケージ技術動向」の主な目次。「2022年度版 実装技術ロードマップ」(書籍)から筆者がまとめたもの[クリックで拡大]

 「3.3.5 RFデバイスのパッケージ構造と高速・高周波向け配線材料」は、以下の4つの項目で構成される。「3.3.5.1 フロントエンドモジュール(FEM)構造」「3.3.5.2 配線材料」「3.3.5.3 誘電体材料パターニング方法」「3.3.5.4 AiP」である。なお「3.3.5.2 配線材料」では配線材料にはほとんど触れておらず、主に誘電体材料について記述してある。あらかじめ留意されたい。

 FEMは、低雑音アンプ(LNA:Low Noise Amplifier)やパワーアンプ(PA:Power Amplifier)、集積化受動部品(IPD:Integrated Passive Device)、スイッチ、位相シフタ(PS:Phase Shifter)、フィルターなどを搭載した小さなモジュールであり、LGA(Land Grid Array)タイプまたはBGA(Ball Grid Array)タイプのパッケージに封止してあることが多い。

通常の多層樹脂基板が使える4G端末と5Gサブ6端末のFEM

 4Gの移動体通信端末は700MHz〜900MHz、あるいは1.5GHz〜3.5GHzの周波数帯域で基地局と無線信号をやりとりする。端末のFEMは、多層樹脂基板の片面に高周波IC(低雑音アンプやパワーアンプなど)や受動素子を載せて全体を樹脂封止したLGAタイプである。

4G移動体通信端末向けFEM(フロントエンドモジュール)の断面図
4G移動体通信端末向けFEM(フロントエンドモジュール)の断面図。多層基板の片面に高周波IC(低雑音アンプやパワーアンプなど)と受動部品を搭載した。外部端子はLGAタイプである[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

 5Gサブ6の移動体通信端末は、3.7GHz帯あるいは4.5GHz帯の周波数帯域で基地局と無線信号をやりとりする。端末のFEMは、多層樹脂基板の両面に高周波ICや受動素子を載せてから全体を封止したBGAタイプである。

5Gサブ6移動体通信端末向けFEMの断面図
5Gサブ6移動体通信端末向けFEMの断面図。多層基板の両面に高周波ICと受動部品を搭載した。外部端子はBGAタイプである[クリックで拡大] 出所:JEITA Jisso技術ロードマップ専門委員会(2022年7月7日に開催された完成報告会のスライド)

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