HDD大手Western Digitalの四半期業績、売上高が2四半期連続で上昇:福田昭のストレージ通信(259)(2/2 ページ)
今回は、米Western Digitalの2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)の業績を報告する。
フラッシュ応用品の売上高が3四半期連続で増加
次は製品分類別の業績である。WDは「フラッシュ応用品」と「HDD製品」の売上高や粗利益率(Non-GAAPベース)などの数値を公表してきた。「フラッシュ応用品」の2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)における売上高は前四半期比(前期比)7.0%増、前年同期比0.48%増の16億6500万米ドルである。前期比では3四半期連続で増加した。前年同期比では7四半期ぶりに増加に転じた。
フラッシュ応用品の粗利益率は7.9%である。粗利益率が0%を超えたのは2022年10〜12月期(2023会計年度第2四半期)以来のことだ。ビット換算の出荷容量は前期比2%減である。記憶容量当たりの平均販売価格(GB単価)は、全製品(Blended)で前期比10%増、同一製品(Like-for-like)で7%増である。平均販売価格が前期比で上昇したのは、2022年4月〜6月期(2022会計年度第4四半期)以来のことだ。
フラッシュ応用品(左)とHDD製品(右)の売上高と粗利益率(Non-GAAPベース)の推移(2023会計年度第2四半期(Q2FY23)〜2024会計年度第2四半期(Q2FY24))。金額の単位は10億米ドル[クリックで拡大] 出所:Western Digital
「HDD製品」の2024会計年度第2四半期(2023年10月〜12月期)における売上高は前四半期比(前期比)14.5%増、前年同期比5.7%減の13億6700万米ドルである。粗利益率は24.8%で前四半期と比べて1.9ポイント上昇した。総出荷記憶容量は前四半期と比べて14%拡大した。
HDD製品の販売台数は、クラウド向けが590万台、クライアント向けが270万台、コンシューマー向けが220万台である。それぞれ前の四半期と比べ、60万台増、10万台増、30万台減となった。
HDD製品全体の販売台数は1080万台である。前の四半期から40万台増加した。HDD製品の平均販売価格(ASP)は122米ドルである。前の四半期からは10米ドル上昇した。
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