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ルネサスの23年度通期、減収も純利益は前年比14.7%増 堅調な自動車が下支え産業向けは調整局面が想定以上に長引く(2/3 ページ)

ルネサス エレクトロニクスの2023年12月期(2023年度)通期の連結業績(Non-GAAPベース)は、減収で営業減益だった。自動車向けは堅調だったものの、産業およびマスマーケットの調整局面の継続が響いた。一方で、純利益は前年比14.7%増となる4329億円となった。

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2024年度第1四半期以降は在庫拡充へ

 自社在庫は、DOI(Days of Inventory)が自動車向け、産業・インフラ・IoT向けの両方で前四半期から減少し、2023年度第4四半期末の時点で93日となった。販売チャネル在庫は全体で若干増加し、WOI(Weeks of Inventory)は9週間強となっている。自動車向けは減少して8週、産業・インフラ・IoT向けは増加して10週強となった。

自社および販売チャネル在庫の推移[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 自社在庫については、2023年度第3四半期から第4四半期にかけて、特にマスマーケット向け汎用マイコンへの需要を考慮し調整幅を増加。その結果、生産調整による仕掛品が減少した。完成品については需要に応じた出荷を行い、若干減少している。

 2024年度第1四半期については、第2四半期以降の市場回復を見込み、生産を増加する見込みだ。さらに、ルネサス セミコンダクタ マニュファクチャリングの那珂工場(茨城県ひたちなか市)で製造している40nmプロセスの車載用マイコンについて、前工程の加工を終えたウエハーを備蓄する「ダイバンク」の拡充を開始する。そのため、原材料、仕掛品ともに増加を見込んでいる。柴田氏は「過去の反省も踏まえ、厳格な在庫管理を行っている。自動車向けの在庫水準がやや低過ぎるため、2024年度第1四半期には販売チャネル在庫を中心に(在庫を)拡充していく」と語った。

 2023年度第4四半期の前工程稼働率(ウエハー投入ベース)は全体で55%弱となった。「想定よりも若干微減した」(ルネサス)とするが、2024年度第1四半期にかけて、一桁前半パーセントでの稼働率増を見込む。設備投資について2023年度第4四半期は、売上高の3.4%をR&D関連を中心に投入。2024年度第1四半期についても、売上高の一桁台パーセントの投資を予定している。

前工程稼働率(左)および設備投資の推移[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

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