シリコンウエハーの出荷面積、2023年は14.3%減少:販売額も前年比で10.9%減に
2023年の半導体用シリコンウエハー世界市場は出荷面積、販売額のいずれも2022年実績を下回った。最終需要の鈍化が広範囲な在庫調整と重なったことが主な要因。SEMIが発表した。
300mmウエハーの受注が減り、200mmウエハーの出荷面積も減少
SEMIは2024年2月7日(米国時間)、2023年の半導体用シリコンウエハー世界市場が出荷面積、販売額のいずれも2022年実績を下回ったと発表した。最終需要の鈍化が広範囲な在庫調整と重なったことが主な要因。
SEMIは、SEMI Silicon Manufacturers Group(SMG)による分析結果を基に、暦年ベースの半導体用シリコンウエハー出荷面積や販売額を定期的に発表している。これらの数値は、ウエハーメーカーよりエンドユーザーに出荷されたバージンテストウエハー、エピタキシャルウエハーを含むポリッシュドウエハーと、ノンポリッシュドウエハーを集計したものである。
シリコンウエハーの世界市場は過去3年間、連続して成長してきた。しかし2023年は、出荷面積が2022年に比べ14.3%減の126億200万平方インチ、販売額は同10.9%減の123億米ドルと大きく落ち込んだ。その要因として、「メモリ分野とロジック分野の需要軟化が300mmウエハーの受注減となった」ことや、「ファウンドリーとアナログ向けウエハーの消費量が減って、200mmウエハーの出荷面積が減少した」ことなどを挙げた。
SEMI SMG会長ならびにGlobalWafers副社長兼最高監査役を務めるリー・チョンウェイ(李崇偉)氏は、「300mmのポリッシュドウエハーとエピタキシャルウエハーの出荷面積は、2023年にそれぞれ13%と5%の減少となった。全ウエハーサイズの総出荷面積は、2023年下半期に上半期から9%減少した」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TSMCが熊本第二工場建設を発表、6nmプロセス導入 27年末の操業開始へ
TSMC、ソニーセミコンダクタソリューションズ、デンソー、トヨタ自動車は2024年2月6日、TSMCの半導体受託製造子会社Japan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)の熊本第二工場を建設する計画を正式に発表した。 - 2023年の世界半導体市場は8.2%減、4Qは11.6%増と回復基調
米国半導体工業会によると、2023年の世界半導体売上高は前年比8.2%減の5268億米ドルとなった。ただし、市場は同年後半には回復基調に転じていて、2023年第4四半期は前年同期比11.6%増となった。2024年には前年比13.1%増の成長が予測されている。 - Intelと台湾UMCのファブ提携で知っておくべきこと
IntelとUMCが12nmプロセスの開発/製造で戦略的提携を発表した。両社はこの協業によって何を得るのだろうか。本稿では、この半導体製造パートナーシップの動機について掘り下げていく。 - 米国の半導体製造「自国回帰」、ボトルネックは工場建設
現在、20近くの半導体工場建設プロジェクトが進んでいる米国。政府は半導体製造の「自国回帰」に力を入れるが、この政策は、工場建設がボトルネックとなる可能性が出ている。高度なシステムが必要な半導体工場の建設には、専門的な知識が必要になるからだ。 - 2023年半導体売上高ランキングと時価総額について考える
2023年の半導体売上高上位10社の時価総額を比較しながら、それぞれの企業の現状や期待度について述べてみたい。 - 半導体市場は2030年に1兆ドル規模へ、24年と25年に2桁成長
SEMIジャパンは2023年12月12日に開催したプレス向け説明会にて、半導体/半導体装置市場の予測を発表した。半導体市場は2024年と2025年に10%以上の成長が予測されていて、2030年には1兆米ドル規模に達する見込みだ。