2023年の世界半導体市場は8.2%減、4Qは11.6%増と回復基調:2024年は13.1%の成長に
米国半導体工業会によると、2023年の世界半導体売上高は前年比8.2%減の5268億米ドルとなった。ただし、市場は同年後半には回復基調に転じていて、2023年第4四半期は前年同期比11.6%増となった。2024年には前年比13.1%増の成長が予測されている。
米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)は2024年2月5日(米国時間)、2023年の世界半導体売上高が前年比8.2%減の5268億米ドルとなったと発表した。ただ、市場は同年後半には回復基調に転じていて、2023年第4四半期は前年同期比11.6%増となった。2024年通年では、前年比13.1%増の成長が予測されている。
2023年の世界半導体市場は市場サイクルとマクロ経済の逆風から低迷が続き、2023年第1四半期(2023年1〜3月)の売上高は前四半期比8.8%減、前年同期比では21.3%減の1195億米ドルにまで減少した。一方、2023年3月以降からは、単月でみると前月を上回る回復を続けていた。また2023年11月には前年同月比でもプラス成長となった。
SIAは今回、2023年12月の世界半導体売上高についても発表した。2023年12月は前年同月比11.6%増、前月比でも1.4%増の486億米ドルと成長を継続。これによって、2024年第4四半期は前年同期比11.6%増、前四半期比でも8.4%増の1460億米ドルになった。
車載ICは23.7%増で過去最高に
2023年の世界半導体市場を製品分野別にみると、ロジックが1785億米ドル、メモリが923億米ドルだったほか、MCUは前年比11.4%増の279億米ドルとなった。また車載ICは、同23.7%増の422億米ドルと過去最高額を記録した。
2023年の世界半導体市場を地域別でみると、欧州が唯一、前年比4.0%増となったものの、中国は同14.0%減、アジア太平洋/その他は同10.1%減、米州は5.2%減、日本は3.1%減と、それぞれマイナス成長になった。
なお、2023年12月単月でみると、中国が前年同期比19.4%増、米州が同12.5%増、アジア太平洋/その他が同11.3%増、欧州が同2.1%増となった一方、日本は同4.6%減となった。前月比では中国が4.7%増、米州が1.8%増、アジア太平洋/その他が0.3%増と増加。欧州は3.9%減、日本は2.4%減となった。
SIAの社長兼CEO(最高経営責任者)であるJohn Neuffer氏は、「あらゆる製品において、半導体がより重要な役割を果たしていることから、半導体市場の長期的見通しは極めて強い。R&D(研究開発)への投資や、半導体市場における労働力の強化、貿易障壁を軽減する政策の推進は、業界が今後も長期にわたって成長と革新を継続する助けとなるだろう」とコメントしている。
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