ニュース
ルネサスが旧親会社から「完全脱却」、三菱電機も全ルネサス株を売却へ:NEC、日立に続き
三菱電機は、保有するルネサス エレクトロニクス株を2024年2月29日に全て売却する。ルネサス株を巡っては、旧親会社のNECと日立製作所も2024年1月に保有株を全て売却している。これによって、旧親会社の3社全てがルネサス株を完全に手放すことになる。
三菱電機は2024年2月28日、保有するルネサス エレクトロニクス株を同月29日に全て売却すると発表した。ルネサス株を巡っては、旧親会社のNECと日立製作所も2024年1月に保有株を全て売却している。これによって、旧親会社の3社全てがルネサス株を完全に手放すことになる。
ルネサスは、NECから分社化したNECエレクトロニクスと日立製作所、三菱電機の半導体事業が分社化/統合したルネサス テクノロジが2010年4月に統合して発足。その後、業績の悪化から2013年9月には、INCJ(旧産業革新機構)が69.1%の株式を取得して実質国営化されたが、ルネサスは、大規模なリストラを伴う構造改革を推し進めながら経営を再建。INCJの持ち株比率も低下していき、2023年には、INCJがルネサスの全株式の売却を完了した。そして、2024年1月にはNECと日立製作所も2024年1月に保有株を全て売却している。
三菱電機は、ルネサス株売却の理由について「政策保有株式の縮減を進め、資本効率の向上を図るため」と説明している。三菱電機は売却に伴い、2024年3月期の個別決算において、売却益を特別利益として計上する。計上額については、「判明次第速やかに開示する」としている。同社のルネサス株保有割合は2023年12月末時点で2.85%(5070万6885株)だった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
親会社の気配、ようやく消えたルネサス
あらためて振り返ると、本当にがらりと変わったなと思います。NECと日立がルネサス株を全て売却へ
NECと日立製作所が保有するルネサス エレクトロニクス株を全て売却する。2024年1月30日に、証券会社を通じて海外の機関投資家などに売却する。ルネサスが新体制スタート、技術分野に基づく4グループに再編
ルネサス エレクトロニクスが2024年1月1日付で組織を再編し、新体制をスタートした。これまで、車載と非車載で分けた2つの事業本部を核に形成していた組織を、技術分野で分けた4つのプロダクトグループ(PG)に再編した。INCJ、ルネサス株の大半を売却し保有株ほぼゼロへ
INCJ(旧産業革新機構)は2023年11月9日、同社が保有するルネサス エレクトロニクス株式の大部分を売却すると発表した。検証 ルネサス再建〜2013年下半期〜
間もなく幕を閉じようとしている2013年。国内半導体業界の2013年を振り返れば、やはり国内半導体メーカーの象徴といえるルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)の話題は欠かすことはできない。2010年4月の発足以来、“再建”の宿命を背負い続けるルネサスの2013年下半期(7〜12月)を振り返る。ルネサス、発足初年度以来の営業黒字を達成
ルネサス エレクトロニクスは2014年5月9日、2013年度(2014年3月期)業績を発表した。発足初年度となった2010年度以来の営業黒字を計上した。