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ルネサスが新体制スタート、技術分野に基づく4グループに再編「中長期に腰を据えて成長を実現」

ルネサス エレクトロニクスが2024年1月1日付で組織を再編し、新体制をスタートした。これまで、車載と非車載で分けた2つの事業本部を核に形成していた組織を、技術分野で分けた4つのプロダクトグループ(PG)に再編した。

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 ルネサス エレクトロニクスが2024年1月1日付で組織を再編し、新体制をスタートした。これまで、車載と非車載で分けた2つの事業本部を核に形成していた組織を、技術分野で分けた4つのプロダクトグループ(PG)に再編した。

 ルネサスはこれまで、車載マイコンや車載SoC(System on Chip)などの自動車向け製品を扱うオートモーティブソリューション事業と、その他の産業、インフラ、IoTに関する製品を扱うIoT・インフラ事業の2つの事業本部からなる体制をとっていた。今回、「より広範かつ、顧客ニーズに即したソリューション提供を強化するため」(同社)、技術分野で分けられた事業構造に転換したという。

 同社CEO(最高経営責任者)の柴田英利氏は、2023年12月期第3四半期の決算説明会における質疑応答の中で、この再編の狙いについて、「会社としてのフェーズが変わった。これまではより短期に結果を出すため、よりセグメントフォーカスで、多少インコンシステンシーや無駄があってもいいと、スピード重視でやってきて、一定の成果を出した。今後はより中長期に腰を据えて、しっかりとした成長を実現していくため、社内のリソースをより効率的に使う。その中で短期と中長期、しっかり両方に軸足を置いた取り組みをしていこうということが主眼だ」と説明していた。

 ルネサスは2023年11月、INCJ(旧産業革新機構)が所有するルネサスの全株式(単元未満株である75株を除く)売却が完了したことを発表。INCJは「2013年に出資をしてから10年、ルネサスは、構造改革を着実に実行し、確実に利益を出せる体質に変革を遂げた」などとコメントしていた。

4つのプロダクトグループ

 今回の組織再編によって、具体的には、以下の4つのPGが発足した。

アナログ&コネクティビティ

 アナログ製品やコネクティビティ製品を担当。アナログ&コネクティビティ担当ジェネラルマネージャーには、前アドバンスドアナログ事業部長のDavin Lee氏が就任した。

エンベデッドプロセッシング

 汎用的なカタログ組み込みプロセッサ全般を統括。エンベデッドプロセッシング担当ジェネラルマネージャーには、前汎用MCU事業部長の関俊彦氏が就任した。

ハイパフォーマンスコンピューティング

 カスタム性の高い、アプリケーションに特化した、高性能な製品群(車載マイコンや車載SoCなど)を統括。ハイパフォーマンスコンピューティング担当ジェネラルマネージャーには、Vivek Bhan氏(前ハイパフォーマンスコンピューティング・アナログ&パワーソリューショングループ共同ジェネラルマネージャー)が就任した。

パワー

 パワーマネジメントICやディスクリートパワー半導体などを担当。パワー担当ジェネラルマネージャーには、Chris Allexandre氏(前CSMO(Chief Sales&Marketing Officer)兼グローバルセールス&マーケティング本部長)が就任した。

 ルネサスはこの新体制によって、組み込みプロセッサ、アナログ、パワー、コネクティビティでの強みを生かし、包括的なソリューションを提供。急速に変化する顧客や市場のニーズに機敏に対応していく方針だ。また、「クロスセルの機会が増大し、より広範な顧客に対応でき、スケールメリットを享受できる」とも説明している。

全社横断的な5つの組織も

 ルネサスは今回、上記4つのPGと同時に、業務領域ごとの全社横断的な5つの組織も発足させた。ソフトウェア開発およびルネサスが提供する製品のデジタル化を統括する組織「ソフトウェア&デジタライゼーション」、ルネサスの生産、サプライチェーン、調達の各機能をまとめ、オペレーション機能を一気通貫で担う組織「オペレーション」、開発からテストに至るまで、エンジニアリング機能の中枢を担う「エンジニアリング」そして、「品質保証」と「セールス&マーケティング」だ。ルネサスは、この新体制によって「きめ細かに顧客ニーズに対応でき、より付加価値を提供できる、パフォーマンスの高い事業運営を実現する」としている。

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