あなたは硬い派? 柔らかい派? 果物の「食べごろ」を非破壊で予測:食品ロスの低減にも貢献
自動認識ソリューションを手掛けるサトーは、「スーパーマーケットトレードショー2024」(2024年2月14〜16日/幕張メッセ)で、果物の「食べごろ」を非破壊で予測するサービス「coro-eye」を展示した。果物の廃棄の削減にもつながるという。
自動認識ソリューションを手掛けるサトーは、「スーパーマーケットトレードショー2024」(2024年2月14〜16日/幕張メッセ)に出展し、果物の「食べごろ」を非破壊で予測するサービス「coro-eye(ころあい)」を展示した。
coro-eyeは、果物に微小振動を与えることで起きる共振現象を測定し、共振の強さによって内部の固さを判別するサービスだ。まずは、非破壊式硬度測定機を活用して現状の硬度を計測。サトーが開発したcoro-eye クラウドサービスに接続することで、事前に学習させているデータを基に、数日後の硬度の変化予測を確認できる。なお、使用する非破壊式硬度測定機は、広島大学特任教授で同大学内ベンチャーの生物振動研究所代表の櫻井直樹氏が特許技術を保有するものだ。
ブースでは、クラウンメロンを使ってcoro-eyeのデモを披露した。クラウンメロンを非破壊式硬度測定機に乗せて計測を開始すると、タブレット上に食べごろの変化予測がグラフで表示される。その後、出力ボタンを押すと、食べごろの目安が書かれたシールが印刷され、シールをクラウンメロン本体などに貼ることで、簡単に個体別の食べごろを可視化できる。
メロンは通常1箱6個入りで農家から出荷され、出荷順で店頭に並んでいる。しかし、同じ箱のメロンでも食べごろは異なり、1週間ほど時間差が生じるため、メロンの約25%は食べごろが過ぎて廃棄されているという。
coro-eyeを活用することで、メロンの食べごろを個体別で判断できるため、食べごろが近いメロンを優先的に店頭に並べたり、廃棄される前にカットフルーツなどに加工したりできるようになる。これにより、廃棄率を70〜80%削減できるという。現状は、メロンやアボカドなど10種類の果物、計100品種に対応している。対応可能な果物や品種は、顧客からの要望に応じて随時追加している。
ブース担当者は、coro-eyeの活用イメージとして「果物を出荷/納品する際に食べごろ情報を追加して付加価値を高めたり、店頭で販売する際に消費者(買い物客)が自分で食べごろを計測して好みの硬さの果物を選んだりといったことを想定している」と説明した。
サトーは、coro-eyeの契約について3種類のプランを用意した。「買い取りプラン」は、初期費用の49万8000円と、クラウド利用料として月額1万円。「リースプラン」は、サブスクリプション費用として月額2万円かかる。「短期レンタルプラン」では、1カ月限定で4万5000円で試用できる。担当者によると「短期レンタルプランを利用した企業は、その多くが継続利用に至っている」という。
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