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Intelが計画する「最先端プロセス採用」ドイツ工場、その詳細図面が公開電子機器設計/組み込み開発メルマガ 編集後記

合計約2000ページというボリュームの文書に、2棟のファブを有する構築予定の拠点の姿が詳細に記載されています。

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 この記事は、2024年3月11日発行の「電子機器設計/組み込み開発 メールマガジン」に掲載されたEE Times Japan/EDN Japanの編集担当者による編集後記の転載です。

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Intelが計画する「最先端プロセス採用」ドイツ工場、その詳細図面が公開

 「最先端オングストローム世代の技術を導入する」として、2022年3月にIntelが発表したIntelのドイツ工場計画。エネルギー価格の高騰やドイツ政府の財政問題などから一時はその計画の存続が危ぶまれましたが、現在はその実現に向けて着実にステップを踏んでいるようです。2024年2月、Intelが建設予定地であるザクセン・アンハルト州当局に提出したドイツの工場の建設申請書が公開されました。合計約2000ページというボリュームのこの文書には、2棟のファブを有する構築予定の拠点の姿が詳細に記載されています。

 Intelは、2022年3月、ザクセン・アンハルト州の州都マクデブルクに「最先端オングストローム世代の技術」を導入した2棟の前工程工場を建設する計画を発表しました。当初は2023年前半の建設開始を予定していましたが、その後、エネルギー価格の高騰や建設コスト上昇などを受け、補助金の増額に関する政府との交渉が長期化していたとされ、結局2023年6月、総投資額を当初の170億ユーロから300億ユーロ超に増額する計画についてドイツ政府と改めて合意することになりました。現地報道によると、ドイツ政府による補助金は99億ユーロとなる予定です。この補助金については一時、政府の財政問題によって支給が不可能になるのではと懸念されましたが、ドイツ政府はその後、補助金のための資金を確保していることを表明。欧州委員会の承認を得られれば、無事支給される見込みとなりました(現地報道によれば2024年夏にも決定が下る見込み)

 今回の申請書は、大気汚染や騒音などの有害な環境影響から保護することを目的としたドイツの連邦イミッション規制法に基づきIntelがザクセン・アンハルト州当局に提出したもので、当局による承認の前に関係する市民/団体が確認/異議申し立てができるよう、2024年2月23日〜3月22日までの日程で公開されています。

 公開された文書には、ザクセン・アンハルト州の州都マクデブルク郊外の建設予定地における各建屋の配置などを記載した見取り図や各建屋の図面のほか、ファブ2棟(Fab29.1およびFab29.2)の各階の機能を含む各建屋の概要や、水処理/電力確保および環境保護のための対応、さらには半導体製造プロセスの概要などまで詳しく記載されていました。

Intelが計画するマクデブルク拠点の全体図。ファブは水色の部分でFab29.1およびFab29.2と記載されている箇所[クリックで拡大]
Intelが計画するマクデブルク拠点の全体図。ファブは水色の部分でFab29.1およびFab29.2と記載されている箇所[クリックで拡大] 出所:Intel

 同拠点には、半導体工場2棟(Fab29.1およびFab29.2)の他、特殊ガス貯蔵庫、空気分離プラント、データセンター、排水前処理施設、オフィス棟など一式が設置される予定で、資料では「リスクを最小限に抑え、安全な設計原則を適用するため、Intelは『コピー』アプローチを採用している。つまり、既存サイトの設計原則を採用し、ドイツの要件および規制と照合している」などと説明しています。

ファブの階層の説明。3FA FAB Levelと記載の階層がクリーンルームのエリア[クリックで拡大]
ファブの階層の説明。3FA FAB Levelと記載の階層がクリーンルームのエリア[クリックで拡大] 出所:Intel

クリーンルームフロアの姿も、公開されたファブ2棟の計画

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