ソニーがタイで半導体後工程の新棟稼働、車載イメージセンサーなど生産:ディスプレイデバイスや半導体レーザーも
ソニーセミコンダクタソリューションズは、タイの後工程拠点で建設を進めてきた新棟が2024年2月に稼働したと発表した。この新棟では車載用イメージセンサーなどを生産する。
ソニーセミコンダクタソリューションズ(以下、SSS)は2024年3月28日、タイの後工程拠点で建設を進めてきた新棟が同年2月から稼働したことおよび、竣工式を開いたことを発表した。この新棟では車載用イメージセンサーなどを生産する。
新棟を設置したのは、タイ中部パトゥムタニ県バンカディ工業団地でソニーグループのイメージング&センシング・ソリューション事業の後工程を担う生産拠点だ。同拠点の「4号棟」となる新棟では、車載用イメージセンサーやディスプレイデバイス、データセンター向けの半導体レーザーなどを生産する。新棟は3層構造で、延べ床面積は6万6370m2。クリーンルーム面積は1層当たり8800m2で、3層全てに実装されれば2万6400m2となる見込みだ。
SSSによると、同拠点の従業員は現在約1600人だが、今後、約2000人の雇用創出を見込んでいるという。また、同社は、市場動向に応じて4号棟への生産設備の拡充を図っていくことで、各製品の生産能力拡大に対応していく方針だ。
なお、同拠点では2021年度から100%再生可能エネルギーで稼働しているといい、4号棟のクリーンルームでも、必要な部分に絞って清浄度や温湿度を管理する空調システムや、廃熱および温水を再活用するリサイクル技術などを採用。2024年内に4号棟の屋根のほぼ全面に太陽光パネルを設置し、全面稼働させる計画だ。同社は、「徹底した省エネ化に加え、再生可能エネルギーの利用を加速することで、4号棟の稼働後も、引き続き再生可能エネルギー100%による稼働を維持していく」と述べている。
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