Rapidusが後工程のR&Dでエプソン千歳事業所の活用を検討:2024年5月上旬までの契約締結を目指す
セイコーエプソンは2024年4月2日、Rapidusの半導体後工程における研究開発機能の一部をセイコーエプソン 千歳事業所(北海道千歳市)に設置する方向で協議を進めていると発表した。契約締結は2024年5月を目指している。
セイコーエプソン(以下、エプソン)は2024年4月2日、Rapidusの半導体後工程における研究開発機能の一部をエプソン 千歳事業所(北海道千歳市)に設置する方向で協議を進めていると発表した。具体的には、Rapidusが新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)に提案し、採択されたプロジェクト「2nm世代半導体のチップレットパッケージ設計・製造技術開発」に関する研究開発機能の一部を、エプソン 千歳事業所(北海道千歳市)に設置する方向で最終的な協議を進めている。同年5月上旬までの契約締結を目指す。
協議内容について、エプソンの広報は「契約が締結された場合、千歳事業所内の一部スペースを貸与することが決まっている。人員連携や生産設備の使用など、その他の事項に関しては現在協議中で、スペースの貸与期間も未定だ」と説明した。
千歳事業所は、プロジェクターの基幹部品である小型液晶パネルの生産拠点だ。Rapidusが建設中の半導体製造拠点「IIM(Innovative Integration for Manufacturing)」に隣接している。
エプソンは、Rapidusとの連携について「ともに半導体を扱い、北海道エリアに拠点を持つ企業として、Rapidusの目指す『次世代半導体の設計/製造の確立』に向けた取り組みについて積極的に連携したいと考えている。また、今後は地域課題の解決や半導体人材の育成についても連携を模索していく」とコメントした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- EUV用フォトマスク製造プロセス開発、DNPが加速
大日本印刷(DNP)は、EUV(極端紫外線)リソグラフィに対応する、2nm世代のロジック半導体向けフォトマスク製造プロセスの開発を本格的に始めた。2025年度までに開発を終えて、2027年度には量産を始める予定。 - RapidusとTenstorrent、2nmプロセスでのエッジAIアクセラレーター開発/製造で協業
RapidusはTenstorrentと協業し、2nmプロセスベースのエッジAI(人工知能)アクセラレーターの開発/製造を行うと発表した。国際連携によって、生成AIを含むエッジ推論処理専用のエッジAIアクセラレーター開発を推進するという。 - 経産省、2nm以降の先端半導体開発に450億円 Rapidus後押し
経済産業省は2024年2月、「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」の実施事業者として技術研究組合最先端半導体技術センター(LSTC)を採択した。2nm世代以降の先端半導体開発に向け、計450億円を支援する。 - Rapidusが千歳市に事務所新設、地元企業との面談や採用業務など
Rapidusが北海道千歳市に千歳事務所を開設した。北海道における窓口として、地元企業との面談や総務/採用関連の業務を行っていく。 - imecも全幅の信頼、Rapidusの「成功の定義」とは何か
imecや経済産業省など、Rapidusの支援を公言する組織/企業は多い。さらに、米TenstorrentやフランスLetiなど、Rapidusとパートナーシップを締結する企業や機関も増えている。それはなぜなのか。2023年11月に開催された「ITF(imec Technology Forum) Japan」で見えてきたその理由と、Rapidusにとっての「成功の定義」をあらためて考えてみたい。 - 「Rapidusは是が非でも成功させる」、東会長が強調
「SEMICON Japan 2023」(2023年12月13〜15日/東京ビッグサイト)のオープニングのキーノートパネルには、Rapidus 取締役会長の東哲郎氏の他、自由民主党 衆議院議員 自民党 経済安全保障推進本部 本部長 半導体戦略推進議員連盟 会長の甘利明氏らが登壇した。東氏は、Rapidusについて「是が非でも成功させる」と強調した。