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中国政府の「Intel/AMD禁止令」、中国企業への強い追い風にアナリストの見解(2/2 ページ)

中国政府は2024年3月、政府機関向けのPCやサーバにIntelとAMDのCPUを使用することを使用することを禁じるガイドラインを発表したという。この措置は、Intel/AMDの競合にあたるHygon Information Technologyのような中国企業の売り上げ拡大を後押しするとアナリストらは指摘している。

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Intel/AMDの代替品の筆頭候補はHygonか

 Bernstein Researchは2024年2月の報告書の中で、「中国製のx86サーバCPUは、IntelやAMDの製品と比較して、一部の人が考えるほど悪くない。具体的には、HygonのサーバCPUの性能はIntelより約2〜3年、AMDより3〜4年遅れている程度だ」と指摘している。同報告書によると、Intel/AMDに対する中国の指針は、国内市場の需要が他国よりも旺盛な時期に出されたという。

 Rasgon氏は同報告書の中で、「中国におけるx86サーバCPUの需要は世界平均を上回っていて、この勢いは今後も続くと予想される。2017年から2022年にかけて、世界の他地域におけるx86サーバCPU需要の年平均成長率(CAGR)が6%であったのに対し、中国では9%だった。中国での需要の伸びは、中国西部での新たなインフラ投資と、データセンター開発に向けた強力な政策推進によるものだろう」と述べている。

 同報告書では、「Hygonの売上高は、2023年に2桁の成長を遂げた。今後3年間のCAGRは41%となり、2026年までに国内市場シェアを23%に倍増させるだろう」と予想している。

 アナリストらによると、中国にはHygon以外にも多くのCPUメーカーがあるという。Triolo氏によると、中国が承認した国内CPUサプライヤーのリストには、Huawei、Loongson、Zhaoxinなどが含まれるという。「Alibabaの半導体設計部門であるT-Head Semiconductorはサーバ向けCPU『Yitian-710』を設計していて、その製造はTSMCが担っている。中国では現在、2年前よりもはるかに多くのCPUの選択肢がある」と同氏は付け加えている。

 同氏は、「サーバ向けCPUについては、Huaweiが最も現実的な代替品であると考えられる。Intel/AMDの代替として政府機関と国有企業で採用される可能性が最も高いのは同社のCPU『Kunpeng』で、LoongsonとZhaoxinは一部のPCで採用されるだろう」と述べている。

 Hutcheson氏は、「中国の禁止措置は、AMDの『Ryzen』のようなチップレットベースの新しいx86アーキテクチャ『Kaixian KX-7000』を持つZhaoxinにとって、大きな追い風となる」と述べている。「中国政府という需要源がなければ、Zhaoxinが製造規模を拡大することは困難だっただろう」と同氏は述べている。

【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】

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