「負け組」JDI、年内量産立ち上げの次世代OLEDが「われわれの将来を担う」:上場から10年連続の赤字(2/3 ページ)
ジャパンディスプレイ(JDI)の2024年3月期(2023年度)通期連結業績は、売上高が前年度比12%減の2392億円、営業利益は同102億円増で341億円の赤字、純利益は同185億円減で443億円の赤字だった。2014年3月の株式上場後、赤字は10年連続となった。
11年連続の赤字を予想も、「加速度的な改善」見込む
JDIは、2024年度の業績予想も発表した。売上高は前年度比174億円減の2218億円、営業利益は同159億円増で182億円の赤字、純利益は同177億円増で266億円の赤字となることを予想している。
スマホ向け液晶の戦略的撤退の影響から、売上高は引き続き減少する見込みだ。ただ、採算性が低かったスマホ向け液晶および一部の車載向けの撤退を進める一方で、採算性が比較的高いOLEDが増加することによるミックス改善およびeLEAPや「HMO(High Mobility Oxide:高移動度酸化物半導体)技術」の技術収入を見込む他(+112億円)、在庫評価損剥落/在庫効率化(+95億円)などから、営業損失を縮小することを予想している。
坂口氏は、「固定費削減や生産性向上によって損益分岐点を下げ、より筋肉質な事業形態となっている。すなわち、売り上げが落ちてもしっかりと利益ができるような事業体質となり、ゆくゆくは売り上げが伸びた段階で大きく、利益が貢献するというような絵図を描いている」と説明していた。
また、2024年度の上期から下期にかけては、現在市場で需給が逼迫している低温ポリシリコン(LTPS)パネルの供給を進めることによる数量増および、これによる茂原工場の稼働増、そしてeLEAP/HMO技術収入によって営業利益がさらに改善し、EBITDAは下期に黒字化を達成すると予想しているという。
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