最新ドローンを分解 半導体は「ほぼ中国製」:この10年で起こったこと、次の10年で起こること(84)(2/3 ページ)
今回は、2024年に日本で発売されたドローン2機種を紹介する。すっかり身近になったドローンを分解すると、数多くの中国製半導体が使われていることが分かる。
センサーはやはり日本製
図2はAVATA 2ドローン本体の空撮カメラ、モーター制御基板の様子である。カメラ部にはCMOSイメージセンサーとモーションセンサーが搭載されている。ともに日本メーカー製だ。センサーは日本メーカーが極めて強い部品であり、他の多くのドローンにも同様にセットで採用されている。モーター制御基板はコントローラーマイコンとパワー半導体で構成されている。これらはほぼ中国製である。冷蔵庫、洗濯機などの白物家電、監視カメラのジンバル、EV(電気自動車)カーなどにもモーターおよびモーター制御チップ群が必要だが、2020年以降急速に中国製チップの採用が進んでいる。多くのドローンも中国製チップで飛行制御を行っているわけだ。
ゴーグル側にも多数の中国製半導体
図3はAVATA 2のゴーグルの様子である。ゴーグルは通信、画像処理基板、外部観察用のカメラ、ドローン側のカメラ映像を映し出すディスプレイで構成されている。通信側には周波数に応じたRFチップ、ベースバンドプロセッサ、画像処理プロセッサになっている。画像処理プロセッサは受信したデータを復元し、ディスプレイに映し出す。図3の中央に掲載したように中国UNISOC製のチップも採用されている。ゴーグル側も中国製半導体比率は高い。通信、画像処理など主要な半導体チップはいずれも中国製となっている。これらは最先端プロセスで製造されているわけではなく1〜2世代前のものとなっている。
図4はAVATA 2ゴーグルのディスプレイに採用されているmicro OLED(有機ELディスプレイ)の様子である。詳細は省略するがTSMC製造であることが明確になった。
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