ディスプレイを「分身」させる技術を開発、JDI:量産開始は2025年を予定(2/3 ページ)
ジャパンディスプレイは2024年8月2日、見る角度によって異なる2つの映像を表示することができる2 Vision Displayにおいて、HD相当の画質を実現した新製品を発表した。同製品には、タッチ操作した人を識別する「Double Touch」機能も搭載している。
25年の量産開始、販売目標は30年までに1000億円
Dual Touch 2VDの量産開始は2025年を予定している。前工程は国内の茂原工場(千葉県茂原市)か石川工場(石川県能美郡)のいずれかを、後工程は中国の工場を検討している。福永氏によると、製造に当たって特別な設備を導入する必要がないため、準備が整い次第すぐに量産できる状況だという。
販売目標は、2030年までに1000億円規模を目指す。JDI社長のスコット・キャロン氏は、「2030年までに1000億円という目標は、とても保守的な目標だ。Dual Touch 2VDは、今までに無い革新的な技術であり、車載以外の想像もしていない用途で広がっていくだろう。私は、1兆円にも3兆円にも成り得る事業だと考えている」と語った。
販売台数の目標について福永氏は「現在、JDIは年間で約250万台の車載ディスプレイを出荷している。まずは、出荷するディスプレイのうち50%(約100万台)をDual Touch 2VDに置き換えていきたい」と説明した。
JDIは、2025年以降に発売される自動車への搭載を目指して世界の自動車メーカーと商談を進めている。特に、デザイン志向の強い欧州や、先進技術の採用に積極的な中国の自動車メーカーとは具体的に話が進んでいて、既に高級車を中心に複数車種での採用が決まっている。日本の自動車メーカーについては「反応はいいものの、導入までには数年かかる見込みだ」(福永氏)
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