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AMDがZT Systemsを買収 AI分野への攻勢を加速2025年内に完了予定

AMDは2024年8月、サーバ機器などを手掛ける米ZT Systemsを49億米ドルで買収すると発表した。

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 AMDは2024年8月19日(米国時間)、サーバ機器などを手掛ける米ZT Systemsを49億米ドルで買収すると発表した。買収は現金および株式交換によって行われ、2025年内に完了する見込みだ。生成AI(人工知能)などで需要が高まるAIインフラ向けの製品ポートフォリオを拡張し、同分野での競争力を高める狙いだ。

 ZT Systemsは米ニュージャージー州セコーカス(Secaucus)に本拠地を置く、1994年創業のメーカーだ。デスクトップPCの販売から事業をスタートし、2004年頃からデータセンター向けサーバ事業を開始した。データセンターのAIコンピュートおよびストレージインフラを、大手クラウドベンダー向けに設計、導入してきた実績も持つ。

 AMDのCEO(最高経営責任者)を務めるLisa Su氏は「ZT Systemsの買収は、当社の長期的なAI戦略における次なる大きなステップだ。ZT Systemsがもたらすトップクラスのシステム設計とラックスケールソリューションによって、AMDは、データセンターAIシステムと顧客対応能力を大幅に強化できるようになる」とコメントしている。

 AMDは近年、AI技術関連への投資を加速してきた。2024年7月には、特定用途のAIモデルやプラットフォームを手掛けるフィンランドのSilo AIを約6億6500万米ドルで買収すると発表。これを含め、過去1年間だけでも、AIエコシステム関連の拡張で10億米ドル以上を投資している。

 AMDは特に、単なる性能ではなく電力効率(電力当たりの性能)を重視し、クラウドやエンタープライズから、組み込み機器、ノートPCなどのエンドポイントまでカバーする製品群の拡張に力を入れてきた。AMDのプレジデントでAI戦略全般を担当しているVictor Peng氏は、2024年4月に日本AMDが開催した記者説明会に出席した際、「AIの“民主化”を進める」と強調し、「当社はクラウド向けからエンドポイント向けまで、幅広い製品ポートフォリオを持つ、ユニークな位置付けのメーカーだ」と語っていた。

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