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中国の半導体設計力はどうなっている? 話題の製品を一斉に分解:製品分解で探るアジアの新トレンド(51)(3/4 ページ)
毎年、製品解剖という観点では“閑散期”に当たる8月。やや落ち着いているタイミングの今、中国製品の分解から見えてきた、中国製半導体の進化を紹介したい。
“米中折半”で構成されている製品
図5はメガネ型AR(拡張現実)機器2機種の様子である。ともにメインのプロセッサは米国製だがメモリやアナログ、コントローラーは中国半導体となっている。米中折半で構成される製品は図5で紹介している製品だけでなく、非常に多い。小型PC、VR(仮想現実)機器などのプロセッサは米国製、それ以外は中国製が多い。年間数十製品の中国製品を観察しているが、台湾、韓国製などは散見できるものの日本製は、残念ながらソニー、キオクシア、TDKを除けばほぼ皆無といっていい状況だ。米中問題で最先端ばかりが注目されているが、最も出荷数量の多い中位レベルの半導体はどんどん中国製に置き換わり、日本製だけが採用を減らしているように見えてしまう(継続して分解解析を続けている経験として)。
図6は普及モデルの最新スマートフォン2機種の様子である。左はソニー「Xperia 10 VI」、右はOUKITEL「C50」である。ともに5G(第5世代移動通信)対応。5G通信のRFパワーアンプは全て中国メーカー製である。他の機能も含め、Xperia 10 VI内部のおおよそ3分の1は中国製半導体でできている(詳細は有償レポートに掲載)。
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