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極小PTCサーミスターに検知温度105℃/115℃品を追加:外形寸法は0.6×0.3×0.3mm
村田製作所は、モバイル機器向けおよび車載向けに、0603Mサイズ(0.6×0.3×0.3mm)の過熱検知用PTCサーミスターのラインアップを拡充した。抵抗1kΩシリーズに検知温度105℃/115℃の製品を追加した。
村田製作所は2024年9月18日、0603M(0.6×0.3×0.3mm)サイズの過熱検知用PTCサーミスター「PRF03シリーズ」において、抵抗1kΩの製品群に検知温度105℃/115℃品を追加すると発表した。モバイル機器向けおよび車載向けをそれぞれ用意し、量産開始は同年10月を予定する。
PRF03シリーズは、セラミック原料の組成や焼成技術の改良により、従来品の「PRF15シリーズ(1005Mサイズ)」に比べ、体積比で約80%、実装面積比で約70%削減している。また、PTCサーミスターの体積が小さいので高速応答が可能で、無接点のためにオン/オフ時のノイズも発生しない。複雑な回路を構成しなくて済むので、部品点数の削減に貢献する。
昨今、スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器においては、高性能化/小型化に伴い、電子部品の搭載個数が増加している。加えて、5G(第5世代移動通信)の普及による通信速度の高速化により、個々の部品が単位時間当たりに処理しなければいけない情報量が増加し、部品が発熱してしまうという課題があるため、過熱検知部品のニーズが高まっている。また、車載用途では、LEDライトの過熱検知において、LEDライトの小型ソケット化が進んでいるため、搭載部品の小型化の要求が高まっていた。
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