厚さ0.18mmの「極薄」積層セラコン、プロセッサ裏面への実装も可能に:自動車向けに量産を開始
村田製作所は、小型で薄型の自動車向けLW逆転低ESLチップ積層セラミックコンデンサー「LLC15SD70E105ME01」を開発、量産を始めた。外形寸法は0.5×1.0mm、厚みは最大0.18mmで、1.0μFの容量を実現している。
プロセッサパッケージ裏面への実装が可能に
村田製作所は2023年10月、小型で薄型の自動車向けLW逆転低ESLチップ積層セラミックコンデンサー「LLC15SD70E105ME01」を開発、同年9月から量産を始めたと発表した。外形寸法は0.5×1.0mm、厚みは最大0.18mmで、1.0μFの容量を実現している。
新製品は、チップの短手方向両端に外部電極を形成している。これによって電極間距離は短くなり、電極幅を広げることで低ESL化を実現した。しかも、薄型にしたことで、プロセッサパッケージ裏面と基板の間に直接実装できる。これにより、プロセッサパッケージのさらなる小型化が可能になるという。
また、コンデンサーをプロセッサパッケージの裏面に実装することで、コンデンサーとプロセッサダイの距離は、一段と近くなる。このため、さらなる低インピーダンス化が可能になるという。
新製品の使用温度範囲は−55〜125℃、定格電圧は2.5Vdc、静電容量許容差は±20%となっている。なお、車載電子部品評議会が定める受動部品向け信頼性試験規格「AEC-Q200」にも準拠している。
自動車は、ADAS(先進運転支援システム)や自動運転への対応を進めるため、1車両に搭載されるプロセッサの数が増加している。これに伴い、積層セラミックコンデンサーも量的拡大を続ける。同時に、信頼性の向上や実装面積の削減などが求められているという。新製品は、こうした要求に応えて開発した。
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