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インタビュー

スタートアップが世界を動かす原動力に、米国VCが重要性を語る政府レベルの活動が必須(1/2 ページ)

Pegasus Tech Venturesの創設者兼CEOを務めるAnis Uzzaman氏に、75以上の国/地域のスタートアップが参加するビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ」開催にかける思いや、世界のスタートアップの現状および課題を聞いた。

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 2024年5月から8月にかけて、75以上の国/地域のスタートアップが参加するビジネスピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ2024」の日本予選が開催された。予選を勝ち抜いた企業は、日本代表として同年10月に米国で開催される世界大会に出場する。世界大会で優勝した場合は、投資賞金100万米ドル(約1億4400万円)が授与される。

 スタートアップワールドカップを主催するのは、米国カリフォルニア州サンノゼに拠点を置くベンチャーキャピタルのPegasus Tech Ventures(以下、Pegasus)だ。EE Times Japanは、Pegasusの創設者兼CEOを務めるAnis Uzzaman(アニス・ウッザマン)氏に、スタートアップワールドカップ開催にかける思いや、世界のスタートアップの現状および課題を聞いた。

Pegasus 創設者兼CEOのAnis Uzzaman氏
Pegasus 創設者兼CEOのAnis Uzzaman氏[クリックで拡大] 出所:Pegasus

日本予選は過去最大規模に、スタートアップワールドカップ2024

――スタートアップワールドカップ2024の日本予選が終わりました。EE Times Japanも2024年7月に開催された東京予選を取材しましたが、来場者が多く、非常に盛り上がっている印象を受けました。日本予選を振り返っていかがですか。

Uzzaman氏 2024年は、例年の東京予選に加え、京都予選、九州予選(熊本県)の3カ所で開催した。結果、合計で560社以上のスタートアップが応募し、会場/オンライン合わせて8000人以上の観客が参加する過去最大規模のイベントになった。

 特に、九州で予選では、熊本県や福岡市、長崎県など九州全域の自治体と協力して開催した。九州を中心とする全国各地のスタートアップ企業が出場した他、参加者は、九州地方自治体、九州/沖縄地銀連携13行、熊本経済同友会、新規事業に取り組む大企業の経営層、アカデミア、そして起業を目指す学生など幅広い層が訪れた。まさに「オール九州」での開催だった。

――開催地域を拡大した理由は何でしょうか。

Uzzaman氏 スタートアップエコシステムの形成や起業家精神の育成を目的とした同様のイベントは東京で開催されることが多い。しかし、地方のスタートアップは交通費の問題で参加が難しい場合も少なくない。開催場所を地方にも拡大することで、多くのスタートアップの参加を可能にするとともに、地方経済の活性化にも貢献できる。今後の予選開催地域の拡大も視野に、2025年大会の計画を進めている。

――スタートアップワールドカップは、2017年の初開催以降、累計参加者が5万人を超える大きなイベントに成長しました。どんな目的で始めたのですか。

Uzzaman氏 スタートアップの成功には、世界中の投資家から注目され、資金を集めることが重要だ。スタートアップワールドカップは、世界のスタートアップエコシステムの構築と起業家精神の育成を目的として始めた。これまで、ASEANや欧州、北米など100以上の地域予選を開催し、多くのスタートアップ、投資家、企業などが関わり、スタートアップのエコシステムを形成してきた。これにより、国や地域の経済の活性化にもつながると考えている。

――改めて、スタートアップの重要性について教えてください。

Uzzaman氏 スタートアップは、リスクを恐れず新しいことに挑戦できることが強みだ。大企業は、株主や投資家の意向を無視できないため、リスクヘッジを第一に考えてしまう。新しいことに果敢に挑戦できるスタートアップこそ、世の中を動かす原動力になるだろう。

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