JAXAが光衛星間通信で1.8Gbpsを実現 「世界最速」:これまでより7.5倍の速度を実現
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、「光衛星間通信システム」(LUCAS)と先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)間で、通信速度1.8Gビット/秒の光衛星間通信に成功した。1.5μmの波長帯を用いた光衛星間通信で、1.8Gビット/秒を達成したのは「世界初」だという。
低軌道衛星と地上局間の通信時間、LUCAS 経由で約9時間に
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年10月8日、「光衛星間通信システム」(LUCAS)と先進レーダー衛星「だいち4号」(ALOS-4)間で、通信速度1.8Gビット/秒(Gbps)の光衛星間通信に成功したと発表した。1.5μmの波長帯を用いた光衛星間通信で、1.8Gビット/秒を達成したのは「世界初」だという。
JAXAは2024年7月より、だいち4号の初期機能確認運用を行っている。その一環として、だいち4号とLUCASを対向させた試験を実施した。具体的には、約4万km離れているだいち4号の光衛星間通信機器と光データ中継衛星のLUCAS間において、動作確認を行った。
この結果、だいち4号から伝送されたデータが、1.8Gビット/秒という通信速度で、LUCASに届くことを確認した。この値は、前世代のデータ中継技術衛星「こだま」(DRTS)の伝送速度240Mビット/秒に比べ7.5倍の速度となる。
今回の成果により、一般的な低軌道衛星と地上局間の通信時間が1日当たり約1時間であったのに対し、LUCASで静止軌道衛星を中継すれば通信時間は約9時間に伸びるという。このため、低軌道を周回する地球観測衛星が地上局と直接通信できない位置にあっても、取得したデータを静止軌道衛星経由でリアルタイムに地上へ伝送することが可能となる。
JAXAは今後、LUCASとだいち4号を用いて、衛星間距離や互いの位置関係の違いによる通信品質の評価を行う。さらに、中〜低高度(200〜1000km)の軌道上を周回する宇宙機で収集したデータを、LUCASで中継して地上局に伝送する実証実験なども行う予定。
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