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「iPhone 16」を分解 Appleの細やかな半導体設計この10年で起こったこと、次の10年で起こること(86)(2/3 ページ)

2024年9月に発売されたApple「iPhone 16」「iPhone 16 Pro」を分解した。前世代の「iPhone 15」シリーズに比べて、内部構造なども大きく変化している。分解結果からは、Appleが同じiPhone 16シリーズでも、主要コンポーネントを一つ一つ最適化していることが伺えた。

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20%も小さくなった「iPhone 16 Pro」のメイン基板

 図4はiPhone 16 Proの基板を取り出している様子である。基板サイズは2023年のiPhone 15 Proに比べて劇的に小さくなっている。具体的には、iPhone 16 ProはiPhone 15 Proに比べて20.7%も小さくなっている! 基板は2017年のiPhone Xから採用されている2層構造だ。大きめの基板にはカメラなどに接続される外部端子と5Gデータ通信用のQualcommチップセット、RFパワーアンプなどがびっしりと並んでいる。小さめの基板にはA18 Proプロセッサ、ストレージメモリ、Wi-Fi/Bluetooth/UWB(Ultra Wide Band)/NFCといった通信チップの他、電源ICやオーディオチップが配置されている。

図4 iPhone 16 Proの基板
図4 iPhone 16 Proの基板[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

iPhone 15 Pro/16 Proの主要チップを比較する

 表1は2023年のiPhone 15 ProとiPhone 16 Proに採用されているプロセッサ、PMIC(電源管理IC)、5G(第5世代移動通信)モデムの一覧である。メインプロセッサだけでなく、5Gモデムのバージョンも「SDX70M」から「SDX71M」にアップデートされていて、通信機能を向上させている。電源ICとRFトランシーバーは、同じチップをそのまま活用している。

表1 iPhone 15 Pro/16 Proの主要チップを比較する
表1 iPhone 15 Pro/16 Proの主要チップを比較する[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

 図5は、iPhone 16 Proと同時に発売されたiPhone 16(いわゆる「無印iPhone」の様子である。Proとの外観差はカメラが3眼から2眼になったことと、3D LiDARが非搭載以外はほぼ同じ。ただしSIMカードスロットの向きが従来のiPhoneやiPhone 16 Proに比べて90度回転したものになっている。些細なことだがSIMカードの向きを変えるだけでも他コンポーネントのサイズも変わってくるので実際には影響は大きい。

図5 iPhone 16の外観
図5 iPhone 16の外観[クリックで拡大] 出所:テカナリエレポート

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