TSMC、24年Q3は売上高が過去最高 熊本第2工場は25年Q1から建設へ:スマホ/AI需要で好調
TSMCは、2024年第3四半期の業績を発表した。売上高は7596億9000万ニュー台湾ドル(約3兆5500億円/235億米ドル)で、前年同期比39.0%増、前四半期比12.8%増。純利益は3252億6000万ニュー台湾ドル(約1兆5200億円/101億米ドル)で、前年同期比54.2%増、前四半期比31.2%増だった。
TSMCは2024年10月17日、2024年第3四半期(7〜9月)の業績を発表した。売上高は7596億9000万ニュー台湾ドル(約3兆5500億円/235億米ドル)で、前年同期比39.0%増、前四半期比12.8%増。純利益は3252億6000万ニュー台湾ドル(約1兆5200億円/101億米ドル)で、前年同期比54.2%増、前四半期比31.2%増だった。売上総利益率は57.8%、営業利益率は47.5%だった。
TSMC シニアバイスプレジデント兼CFO(最高財務責任者)のWendell Huang氏は業績について、「3nm/5nm技術に対するスマートフォンおよびAI(人工知能)関連の需要に支えられ、売上高が増加した。売上総利益率の向上は稼働率向上とコスト改善努力によるものだ」と説明した。
第3四半期の売上高をプロセスノード別に見ると、5nm世代が全体の32%と最大を占め、3nmが20%、7nmが17%で続いた。7nm以降の先端プロセスの売上高は全体の69%だった。
用途別では、HPC(高性能コンピューティング)が全体の51%を占め、スマホが34%で続いた。前四半期比では、HPCの売上高が11%、スマホが16%増加した。
TSMCは2024年第4四半期(10〜12月)の業績について、売上高は261億〜269億米ドル、売上総利益率は57〜59%、営業利益率は46.5〜48.5%程度になると予想している。
2024年の設備投資額は、300億米ドルを上回る見込みだ。うち70〜80%は先端プロセス技術に割り当てられる。
熊本第2工場は2025年第1四半期に建設開始へ
日本の熊本第1工場については、TSMC 会長兼CEO(最高経営責任者)のC.C. Wei氏が「非常に順調だ。2024年第4四半期に量産を開始する予定で、熊本でも台湾と同レベルの品質と信頼性を確保できる」と説明。熊本第2工場についても「土地の準備は既に始まっていて、2025年第1四半期(1〜3月)に建設を開始する予定だ。2027年末までの量産開始を目標として、民生機器/自動車/産業機器/HPC関連の顧客をサポートする」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- TSMC、売上高/純利益が過去最高に 通期予想を上方修正
TSMCは、2024年第2四半期(4〜6月)の決算を発表した。売上高は6735億1000万ニュー台湾ドル(約3兆2000億円/205億米ドル)、純利益は2478億5000万ニュー台湾ドル(約1兆1800億円/754億米ドル)と、どちらも過去最高額を更新した。 - AIによる技術革新を加速させるTSMCの最新技術
TSMCは横浜で開催した顧客向け技術発表会「TSMC Technology Symposium」に合わせ、テクノロジー専門メディア向けの技術説明会を開催した。説明会では、AIイノベーションを加速させるための半導体製造プロセス「TSMC A16」技術や「TSMC System-on-Wafer(TSMC-SoW)」などについて、その概要を紹介した。 - TSMCが日本に先進パッケージング工場建設か、観測筋は確実視
TSMCが、半導体前工程を担う熊本第一工場に続いて、日本に先進パッケージング工場を建設することを検討していると報じられている。 - TSMC熊本工場で開所式 Morris Chang氏が「日本の半導体再興の始まり」と強調
TSMCの製造子会社であるJapan Advanced Semiconductor Manufacturing(JASM)は、熊本県菊陽町で建設を進めてきた熊本第一工場の開所式を開催した。開所式にはTSMCの創業者であるMorris Chang氏らが出席し、熊本第一工場に寄せる期待を語った。 - TSMCの「A16」は先端プロセス競争を変えるのか
業界のアナリストたちによれば、TSMCが2024年4月に発表した1.6nm世代の最新プロセス「A16」は、半導体製造プロセスにおける競争を変えるかもしれないという。