ソシオネクストの24年度2Qは減収減益、中国で需要減:26年度からの成長に向け体制強化(2/3 ページ)
ソシオネクストの2024年度第2四半期業績は、売上高が前年同期比16.5%減の464億円、営業利益は同38.2%増の53億円、純利益は同45.3%減の40億円と、減収減益となった。
北米のデータセンター向け3nm品の商談獲得、26年度量産へ
2024年度上期(4〜9月)売り上げの内訳をアプリケーション別にみると、製品売上高は特需を含めた中国の通信関係の売り上げ減少に伴い、データセンター/ネットワーク分野の比率が低下してきている。NRE売り上げは、引き続き自動車分野が46%と半分近くを占めている。
地域別では、製品売上高は特需の終了をはじめ中国需要の弱含みが影響し、中国向けの比率が33%にまで減少している。ソシオネクストの会長兼社長である肥塚雅博氏は、「年度を通じても同様な傾向となる見通しで、当面、中国向け比率は減少していく見込みだ」と説明している。NRE売り上げは、米国向けが54%と高水準の状態が継続している。
プロセス別では、売り上げ/NRE売り上げともに先端テクノロジー向けの比率が高い水準を維持。特にNRE売り上げでは3〜7nmプロセスが83%となったが、このうち3nmおよび5nmプロセスだけで既にNRE売り上げの約55%を占めているという。3nmおよび5nmはデータセンターや自動車向けで、地域別にみれば米国が最も多い。
同社は前回の決算説明会(2024年7月に開催)において、北米のデータセンター向け3nm製品の商談の契約締結が近いと見通しを示していた。今回、肥塚氏は、この商談が2024年度第2四半期末までに正式契約に至ったと明かし、「実質的な開発は既に始まっている。もちろん開発に成功しなければならないが、2026年度からの量産の開始を期待している」と説明。データセンターにおける先端分野で技術力を示し、さらなる顧客開拓を進めていく方針だ。
同社は2024年度、2500億円以上の商談獲得金額を目標としている。同氏は、「上期も順調に商談が進んでいる」と説明。アプリケーション別ではデータセンター/ネットワーク向けが過半で、自動車向けが続く。地域別では北米が過半で、次いでアジアとなっているという。
通期見通し据え置きも「実質は1割下回る」
ソシオネクストは、2024年度通期見通しについて、2024年4月発表の売上高が前年度比9.6%減の2000億円、営業利益が同24.0%減の270億円から変更はないとした。ただ、同社は今回、為替レート前提について上期実績(1米ドル=152.6円)を反映して1米ドル130円から140ドルに変更していて、為替効果を除いた実質では、売り上げ、営業利益ともに当初見通しから約1割程度下回る見込みだという。
売上高は、新規量産品などは当初見通し通りに推移しているものの、前述の中国市場の需要減および、産業分野のFA関係、事務機向け製品の需要が弱含みであることを織り込んだ。地域別では、主に中国向けが減少しているが、他の地域向けはおおむね見通し通りだとしている。また、NRE売り上げについてはほぼ予想通りだという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.