ソシオネクストの24年度2Qは減収減益、中国で需要減:26年度からの成長に向け体制強化(3/3 ページ)
ソシオネクストの2024年度第2四半期業績は、売上高が前年同期比16.5%減の464億円、営業利益は同38.2%増の53億円、純利益は同45.3%減の40億円と、減収減益となった。
24、25年度は技術力/開発体制を積極強化
ソシオネクストは今後の成長について、直近のデータセンター/ネットワーク分野における中国の需要減および、産業分野のFA関係、事務機向け製品の需要動向などを反映し「2024年度および2025年度の売り上げが、これまでの見通しよりも実質で1割程度減少する可能性がある」としている。
ただ、新規量産品の売り上げについては、両年度ともに「これまでの商談獲得が寄与して、増加を見込んでいる」と説明。さらに、2026年度以降はこれまで獲得した自動車およびデータセンター分野の商談が寄与し、「再び高い成長経路を進むと見ている」という。
営業利益率は、2024年度および2025年度は実質横ばいないし低下するものの、2026年度以降は製品売り上げの拡大に伴い、再び上昇に向かうと見込んでいる。肥塚氏は、「2024年度、2025年度はさらなる成長に向け、引き続き先端技術分野への投資を拡大するなど、成長重視の経営を進めていく」と語った。
先端技術への積極的な先行投資としては、チップレットと組み合わせた2nmでのテストチップ開発などを進めているが、3Dおよび新規ダイ間接続など先端パッケージ技術の導入や、市場拡大が期待される新規アプリケーションなど、顧客との連携強化により新しい適用領域の開拓も進めていく。
また、ソリューションSoC(System on Chip)設計技術もさらに強化。「既に実績のあるチップレットの高信頼性実装に向けた設計技術、特にテスト、熱解析およびチップ内解析技術のさらなる強化やEDAベンダーと連携した設計のフロントエンド/バックエンド工程でのAI(人工知能)技術の活用を進めていく」としている。
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