好調続く半導体製造産業、主要指標は2年ぶり全て成長:AIデータセンターへの投資が寄与
SEMIは2024年第3四半期の世界半導体製造産業について、「2年ぶりに主要な業界指標の全てが前期比でプラス成長となった」と発表した。季節的要因とAIデータセンターへの投資が需要の増加を後押しした。この傾向は2024年第4四半期まで継続するとみている。
この成長トレンドは2024年第4四半期まで継続
SEMIは2024年11月19日(米国時間)、2024年第3四半期の世界半導体製造産業について、「2年ぶりに主要な業界指標の全てが前期比でプラス成長となった」と発表した。季節的要因とAIデータセンターへの投資が需要の増加を後押しした。この傾向は2024年第4四半期まで継続するとみている。
SEMIはTechInsightsと共同で、「Semiconductor Manufacturing Monitor(SMM)」レポートを発行している。このレポートでは、半導体製造産業を製造装置やファブ生産能力から、半導体デバイス、電子機器の売上高までカバーしている。今回は、この最新版のデータに基づき発表した。
電子機器の売上高は、2024年第3四半期に前期比8%増と回復した。2024年第4四半期には前期比20%増が見込まれている。これに伴いICの売上高も、2024年第3四半期は前期比12%増となり、2024年第4四半期も同10%増が見込まれている。この結果、2024年のIC売上高は、前年に比べ20%以上の伸びが予測されている。この主な要因として、「メモリ製品の全般的な価格改善」と「データセンター用需要の高まり」を挙げた。
半導体設備投資は、2024年第3四半期よりプラス成長に転じた。特にメモリ関連の設備投資は、2024年第3四半期に前期比で34%増、前年同期比では67%増と大きく伸びた。2024年第4四半期の設備投資についてもメモリ関連がけん引し、総額で2024年第3四半期比27%増、前年同期比で31%増が見込まれている。
半導体製造装置市場は、中国における投資や、HBMおよび先進パッケージングに向けた投資の増加により、これまでの予想を上回る売上高で推移する。2024年第3四半期のウエハーファブ装置(WFE)の購入額は、前年同期比で15%増、前期比で11%増となった。また、「テスト」と「組み立ておよびパッケージング」に向けた装置市場も好調で、2024年第3四半期はそれぞれ前年同期比で40%増および、31%増を記録した。
設備投資の効果もあり、2024年第3四半期におけるウエハーファブの生産能力は4140万枚(300mmウエハー換算)となった。2024年第4四半期は1.6%増と予測した。ファウンドリーおよびロジック関連の生産能力は、2024年第3四半期に2.0%増加した。2024年第4四半期も全体で2.2%の伸びを見込む。メモリ生産能力は、2024年第3四半期に0.6%増加した。2024年第4四半期も同様な伸びとなる見通し。
SEMIの市場情報担当シニアディレクターを務めるClark Tseng氏は、「半導体製造装置セグメントは成長の強い勢いを持続している。今年これを支えたのは、中国の旺盛な設備投資と先端技術への投資拡大である。特に、ファウンドリーおよびロジックセグメントにおける生産能力の継続的拡大は、先端半導体技術に対する需要の高まりに応えるという業界のコミットメントである」とコメントした。
また、TechInsightsの市場分析担当ディレクターを務めるBoris Metodiev氏は、「2024年は家電、車載、産業市場が苦戦した。その一方でAIは成長し、メモリおよびロジック製品の平均価格を押し上げた」とコメントした。
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