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コラム

苦境のIntel、一体誰がPat Gelsingerの代わりを務められるのかIntelにとってベストなCEOとは(2/2 ページ)

Intelの歴史上類を見ない技術者/エンジニアのCEOとして、大きな期待を受けその職に迎えられたPat Gelsinger氏が、約4年間にわたり指揮を執ってきた同社を去った。Intelは直ちに新CEOを探し始めるとしているが、Gelsinger氏以上に適した人物は存在するのだろうか。

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「完璧な選択」と期待された、Gelsinger氏のCEO就任

 退任するGelsinger氏は、Intelで30年に及ぶキャリアを積み、同社初のCTO(最高技術責任者)に上り詰めた人物であり、その名は既にIntelの伝説の一部となっている。同氏が2021年にCEOとしてIntelに戻った時、業界はその任命が完璧な選択だと称賛した。Intelの歴史上類を見ない技術者/エンジニアのCEOとして、Intelを再び偉大な存在に復活させるという大胆なビジョンを掲げる人物であると評されたのだ。新技術に対する心からの興奮と、まるで祖父のような安定感とを兼ね備えたGelsinger氏のオーラは、VMWareのCEOとして優れた業績を達成するなど、Intel外部で培った信頼性によってさらに高められた。

 Intelの従業員たちは、優れた製品ではなく優れた数字に執着した、冷酷かつ財務重視でウォール街を喜ばせるようなMBA出身者が後任になるのは避けられないと恐れているはずだ。それは極めて近視眼的な任命だといえるが、一方で一体誰がGelsinger氏の代わりを務められるのだろうか。

 新CEOは、2025年に予定されている、Intel Foundryを軌道に乗せるためのプロセスノードである「Intel 18A」の立ち上げや、Intelの14/10/7nmプロセス用の業界標準PDK(Process Design Kit)によって最終的に外部顧客がIntelのファブを使用できるようになる(2027年予定)ことなど、Gelsinger氏の計画によって実現する勝利を主張するだろうが、これはまだCEOになりたての人物に適した役割ではないだろう。

IntelにとってベストなCEOとは

 IntelにとってベストなCEOとは、製品とファウンドリーの両方で経験を積み、米国の重要半導体メーカーである同社を深く愛して理解し、Intelの歴史を見つめながら未来の明確なビジョンを掲げる、経験豊富なエンジニアの人物ではないだろうか。問題は、Gelsinger氏以外にこのような人物が存在するかということだ。それは疑わしい。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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