省配線を実現、ヒロセ電機の複合分岐アダプター:複数センサーの電源ラインを共通化
ヒロセ電機は、2mmピッチの基板対ケーブル圧着コネクター「DF51」シリーズとして、新たに「複合分岐アダプター」を開発した。数多くのセンサーを搭載する産業機器などに用いれば、省配線化やコスト削減が可能となる。
従来の分岐基板を置き換えることで、サイズやコストを大幅に削減
ヒロセ電機は2024年11月22日、2mmピッチの基板対ケーブル圧着コネクター「DF51」シリーズとして、新たに「複合分岐アダプター」を開発した。数多くのセンサーを搭載する産業機器などに用いれば、省配線化やコスト削減が可能となる。
半導体製造装置や搬送機、実装機といった産業機器には、さまざまなセンサーが数多く搭載されている。このため、機器内部ではこれらを接続するためのケーブルが密集しているという。こうした中、分岐配線を行う場合はこれまで、「分岐基板」と呼ばれる部品を用いて配線数を削減するなどの工夫を行ってきた。ただ、分岐基板の形状が大きく、実装スペースの確保などが課題となっていた。
ヒロセ電機はこれまで、機器内部の省配線に向けて電流を分岐する「分岐アダプター」などを提供してきた。そして今回、分岐端子(電源)と分岐なし端子(信号)を合わせ持つ複合分岐アダプターを開発した。これを用いると、複数センサーに対する電源ラインを共通化でき、省配線化とトータルコストの削減が可能となる。
複合分岐アダプターは、ばねロック機構を採用することでパネルへの固定に対応、取り付けや取り外し時の作業性と利便性を向上させた。また、分岐アダプターと複合分岐アダプターを組み合わせた「多数分岐接続」にも対応できるという。
DF51シリーズの複合分岐アダプターは既に、4ポート品(10芯×1ポート+4芯×4ポート)を量産中である。また、6ポート品(10芯×1ポート+4芯×6ポート)や、8ポート品(10芯×1ポート+4芯×8ポート)についても開発を検討している。
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