Armがチップレットで本領発揮へ エコシステム構築を加速:「NVIDIA代替」も目標に(2/3 ページ)
Armが「チップレットの民主化」に向けて取り組みを加速させている。大規模なエコシステムを持つというメリットを生かし、さまざまなパートナー企業を取り込んで、より多くのメーカーがチップレットの利点を享受できるようにすることを目指す。
UCIeも3Dパッケージングをサポート
UCIeコンソーシアムは2024年8月に、2.0仕様をリリースした。このアップデートにより、複数のチップレット全体のSiPライフサイクルのための試験性や管理の容易性、デバッグを考慮した設計(DFx)などの設計上の課題に対応する。このアップデートの重要な特徴は、チップレットの帯域幅密度と電力効率を劇的に高められる3Dパッケージングをサポートしているという点だ。
UCIe 2.0仕様におけるUCIe-3Dは、バンプピッチが10〜25ミクロンから1ミクロン未満のハイブリッドボンディングに向けて最適化されている[クリックで拡大] 出所:UCIe Consortium
Ramirez氏は、「Armは、Intel Foundry ServicesやSamsung Electronics、TSMCとの協業により、チップテストやPoC(概念実証:Proof of Concept)、さらには完全な製品のためのプログラムを開発している。現在、このようなプロジェクトを手掛ける設計パートナーやASIC設計パートナー、機器メーカーが15社ほど存在する」と述べる。
また同氏は、「最後の鍵となるのは、CadenceやAlphawaveのような、UCIeインタフェースをベースとしたチップレットの接続をサポートしているサードパーティーIPベンダーだ。われわれは現在、こうした企業との連携により、ロードマップの調整を進めている」と付け加えた。
「Arm Total Designは、『Grace Hopper』やその他のNVIDIAベースのGPUソリューションの代替を提供するという目標などもあり、大きな注目を集めているプロジェクトだ。最近発表されたチップレットプラットフォームでは、韓国のパートナーであるADTechnologyが、Armのコンピュートサブシステムを使用して64コアのコンピュートチップレットを開発している。同社はこれを、RebellionのAIアクセラレーターとSamsungのHBMメモリと組み合わせて、1つのパッケージ製品にする予定だ」(Ramirez氏)
また同氏は、「この製品は、NVIDIAが現在提供しているソリューションよりも3倍高い電力効率と性能を達成し、複雑なチップレット統合を実現可能であることを実証するだろう」と付け加えた。
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