MicronがシンガポールにHBMパッケージング新工場 70億ドル投資:2026年に稼働予定
Micron Technologyが、シンガポールにHBMパッケージング新工場を建設する。拡大するAIデータセンターの需要に対応するもので、2026年に創業を開始し「2027年から先端パッケージングの生産能力を大幅に拡大する」(同社)計画だ。投資額は今後数年で約70億米ドルになる予定。
Micron Technology(以下、Micron)が、シンガポールに広帯域メモリ(HBM)パッケージングの新工場を建設する。拡大する人工知能(AI)データセンターの需要に対応するもので、2026年に創業を開始し「2027年から先端パッケージングの生産能力を大幅に拡大する」(同社)計画だ。投資額は今後数年で約70億米ドルになる予定。
新工場は、シンガポールにあるMicronの前工程工場に隣接する形で建設する。Micronは2025年1月8日(シンガポール時間)、現地で起工式を行ったと発表した。同社の最高経営責任者(CEO)を務めるSanjay Mehrotra氏は「AIの導入が産業界全体に広まるにつれて、先端メモリとストレージソリューションの需要は引き続き堅調に増加するだろう。今回のHBM先端パッケージング施設への投資は、今後拡大するAIの機会に対応する当社の立場を強化するものだ」とコメントしている。
Micronによると、今回の工場計画によって、パッケージ開発、組み立て、テスト業務などで当初は1400人、将来的には約3000人の雇用を創出する見込みだという。
新工場はシンガポールにとって初のHBM先端パッケージング工場となる。同国の経済開発委員会の会長を務めるPng Cheong Boon氏は「今回のMicronの投資は、世界の半導体サプライチェーンにおける重要なノードとして、シンガポールの競争力が高く評価されていることを反映している。この計画は、シンガポールとMicronのパートナーシップを拡大し、シンガポールの半導体エコシステムをさらに強化するものだ」と述べている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- Micronの2024年8月期会計年度業績、前年度の巨額赤字から黒字へ一気に転換
今回は、Micron Technologyの2024会計年度(2023年9月〜2024年8月期)の業績を紹介する。 - AIで重要性増す「カスタムHBM」、Marvellが製品群を強化
Marvell Technologyがデータセンター向け事業で快進撃を続けている。同社は2024年12月に開催されたアナリストデーで、データセンター事業の内容を紹介した他、カスタムHBMの必要性を強調した。 - MicronがシンガポールのNANDフラッシュ工場を拡張
Micron Technology(Micron)は2019年8月14日(シンガポール時間)、シンガポールに所有するNAND型フラッシュメモリ生産工場の拡張を完了し、その完成を祝うオープニングセレモニーを開催した。 - NVIDIAの「GPU祭り」はまだ序章? 生成AIブームは止まらない
NVIDIA製GPUの需要が高まる“GPU祭り”は、今後どうなっていくのだろうか。本稿では、AI(人工知能)サーバの出荷台数のデータを読み解きながら、NVIDIAの“GPU祭り”の行く末を予想する。 - 第9世代NANDベースのSSD、Micronが量産開始
Micron Technologyは、第9世代(G9)となるTLC NANDフラッシュメモリを搭載したSSD(ソリッドステートドライブ)「Micron 2650 NVMe SSD」の量産出荷を始めた。競合製品に比べシーケンシャルリードで最大70%、シーケンシャルライトで最大103%も上回るなど、クラス最高レベルの性能を実現したという。 - 過熱するHBM開発競争、SK hynixは製品化を前倒し
SK hynixは、次世代HBMである「HBM4」製品について、従来の想定より1年早い2025年に発表予定だと明かした。同社はHBM市場で大きなシェアを確保しているが、専門家は「今後、より厳しい競争に直面することになるだろう」と語っている。