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富士フイルム、ベルギーでCMPスラリー生産へ 40億円投資:フォトリソ周辺材料の既存設備も増強
富士フイルムは、ベルギーの同社生産拠点にCMPスラリーの生産設備を新たに導入すると発表した。既存のフォトリソ周辺材料生産設備も増強する。設備投資は総額約40億円。
富士フイルムは2025年2月5日、半導体材料事業の拡大に向け、ベルギーの同社生産拠点にCMPスラリーの生産設備を新たに導入すると発表した。既存のフォトリソ周辺材料生産設備も増強する。設備投資は総額約40億円。
2026年春に稼働開始予定
富士フイルムは、5Gや6Gといった通信の高速/大容量化、自動運転技術の進展、AIの普及などによる半導体の需要拡大を見据えて半導体材料事業に注力している。2024〜2026年度の3年間で、研究開発および設備投資に計1700億円を投じる計画だ。2024年6月には韓国平澤市での新工場竣工、同年12月には熊本県菊陽町の生産拠点でのCMPスラリー生産能力強化を発表している。
今回のベルギーでの設備投資は、欧州半導体市場への製品供給能力拡大を目指すものだ。富士フイルムは現在、熊本県菊陽町、韓国天安市、台湾の新竹市および台南市、米国アリゾナ州の5カ所にCMPスラリーの生産拠点を構えていて、ベルギーは6カ所目となる。
併せて、フォトリソグラフィ工程で使用する現像液の生産設備も増強する計画。いずれも2026年春の稼働開始を予定する。
富士フイルムは今回の設備投資について「欧州での車載用/産業用半導体の需要増に対応するとともに、品質面での高い顧客要求にも応えていく」としている。
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