WDがフラッシュメモリ事業を「Sandisk」として分離上場:WDは「HDD技術に特化」
Western Digital(WD)は2025年2月24日(米国時間)、NANDフラッシュメモリ事業をSandiskとして、米国ナスダック市場にスピンオフ上場した。WDは「HDD技術に特化した企業として新たなスタートを切る」としている。
Western Digital(WD)は2025年2月24日(米国時間)、NANDフラッシュメモリ事業をSandiskとして、米国ナスダック市場にスピンオフ上場した。SandiskのCEO、David Goeckeler氏は「全てイノベーションから始まり、NANDはそれを可能にする素晴らしいものだ。当社は力強く成長する市場で事業を展開している。フラッシュメモリのイノベーターとして世界をリードする私たちの役割を拡大する絶好の機会がある」とコメントしている。
WDはもともとHDD専業メーカーだったが、2016年に旧SanDiskを買収しNANDフラッシュメモリ事業に参入した。ただ、その後は事業間の相乗効果を発揮できず、2023年、同事業の分離を決定したと発表した。この決定の前には、協業関係にあるキオクシアホールディングス(以下、キオクシアHD)との経営統合の協議が進められていたが、2023年10月に破談となったことが報じられていた。
ただ、2024年12月のキオクシアHD上場および今回のSandisk分離上場によって、両者の企業価値が明確となることで、再編の動きが再び進む可能性も、一部で指摘されている。
なお、Sandiskが2025年2月11日に開催した投資家向けイベントにおいて、両者の協業関係に言及した際の説明によると、両者の合計ビット出荷量は、業界全体のほぼ3分の1を占める規模だという。
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