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スマートウォッチが5カ月電池交換不要に、ルネサスの省電力マイコンメモリ拡大の第2弾も発売(2/2 ページ)

ルネサス エレクトロニクスは、超低消費電力を特徴とするローエンドマイコン「RA0」シリーズの第2弾製品「RA0E2」を発売、量産開始した。また、第1弾製品が熱中対策用のスマートウォッチに採用され、5カ月電池交換無しでの使用を実現したとも公表。「業界最小クラス」(同社)とする同シリーズの低消費電力性能をアピールしている。

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第2弾で、さらに多くのアプリケーションに対応

 今回、ルネサスが新たに発表したRA0シリーズの第2弾RA0E2も、RA0E1と同様32MHz動作のArm Cortex-M23コアを搭載し、「業界最小クラス」(同社)の低消費電力、5V対応を実現した製品だ。RA0E2の低消費電力性能は、アクティブモードで2.8mA、スリープモードで0.89mA、スタンバイモードで0.25μAとしている。

 RA0E1との大きな違いは、動作温度範囲を−40〜+125℃(RA0E1は+105℃まで)、フラッシュメモリを最大128Kバイト(RA0E1は最大64Kバイト)に拡大したことで、同社のエンベデッドプロセッシング事業部 事業部長のDaryl Khoo氏は「RA0シリーズには予想以上の良い反響を得ていて、RA0E2は好評の超低消費電力と優れたコストパフォーマンスを継承している。動作温度範囲の拡大とメモリ容量の増加によって、さらに多くのアプリケーションや用途に対応可能になる」と説明している。

RA0E2のブロックダイアグラム
RA0E2のブロックダイヤグラム[クリックで拡大] 出所:ルネサス エレクトロニクス

 RA0E2は、RA0E1と同様、コスト重視のアプリケーション向けに周辺機能を最適化。動作電圧は1.6〜5.5Vと広いことから、5Vシステムでのレベルシフターやレギュレーターが不要なほか、タイマー、シリアル通信、アナログ機能、安全機能、セキュリティ機能も搭載し、部品表(BOM)コストを低減している。内蔵の高速オンチップオシレーター(HOCO)は±1.0%と高精度で、外部オシレーターを使用せずに通信のボーレート精度を維持可能。さらにRA0E2の動作温度範囲-40℃〜+125℃の環境下でもその高精度を維持するため、リフロー工程後であっても、時間とコストのかかるトリミング(精度調整)作業を回避できる。

 開発には、さまざまなRTOSやBSP(Board Support Package)、周辺ドライバー、ミドルウェア、コネクティビティ、ネットワーク、セキュリティスタックなどの基本ソフトウェアに加え、複雑なAI、モーター制御、クラウドのソリューションを構築するためのリファレンスソフトウェアなどを提供するルネサスの「Flexible Software Package(FSP)」がを利用可能。ユーザー独自のソフトウェアコードや所望のRTOSのFSPへの統合も可能で、アプリケーション開発の柔軟性を高めるられる他、RA0E1ともソフトウェア互換があるため、FSPを使用することでRA0E1のソフトウェア資産もRA0E2に容易に移行できる。

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