車載用LiB世界市場、2035年に1884GWh規模へ:Aggressive予測では3137GWhに
車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場規模(容量ベース)は、2024年見込みの941GWhに対し、2025年は1064GWhの規模となる。さらに、2035年は1884GWhに達すると予測した。矢野経済研究所が調べた。
自動車生産台数に占めるxEV比率、2025年には30%台の可能性も
矢野経済研究所は2025年5月、車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場を調査し、市場予測を発表した。これによると、2024年の市場規模(容量ベース)は941GWhの見込みに対し、2025年は1064GWhの規模となる見通しである。さらに、2035年は1884GWhに達すると予測した。
今回の調査は、乗用車と商用車の電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、ハイブリッド車(HEV)、マイルドハイブリッド車(48VのMHEV、SSV、一部12V)に搭載されるLiBを対象とした。2024年まではLiBメーカーの出荷ベース、2025年以降はxEVメーカーの生産ベースでLiB容量を算出した。調査期間は2024年10月〜2025年2月。
2024年はxEVの生産台数が増え、車載用LiB市場もこれに連動する形で前年比113.9%と拡大した。xEVタイプ別にみると、HEV向けが同120.6%の7.4GWh、PHEV向けが同188.3%の142.8GWh、EV向けは同106.2%の791.2GWhである。世界の自動車生産台数に占めるxEVの比率は、2024年に28%まで上昇し、2025年には30%台に達する可能性がある。引き続き中国市場が成長をけん引する。
今後の車載用LiB世界市場については、「Aggressive(政策ベース)予測」と「Conservative(市場ベース)予測」という2つのシナリオで予測した。この結果、Aggressive予測(容量ベース)では、2025年に1186GWh、2030年には2321GWh、20235年では3137GWhになると予測した。一方、Conservative予測では、2025年に1064GWh、2030年に1474GWh、2035年に1884GWhとなる見通しである。
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