ニュース
「次のトレンドはSDV」 RISC-Vマイコンでトップ維持狙うInfineon:標準化にも注力(3/3 ページ)
Infineonは、次世代車載マイコンにRISC-Vコアを採用する。ソフトウェア定義型自動車(SDV)への移行を見据え、拡張性や柔軟性の高さに注目していることが理由だ。標準化やソフトウェア開発の支援にも取り組む。
バーチャルプロトタイプ環境でソフトウェア開発も支援
「オープンであるがゆえに、きちんと標準化しないと使えるものにはならない」(Cassol氏)として、RISC-Vの標準化に向けても取り組みを進める。Infineon、Robert Bosch、Nordic Semiconductor、NXP Semiconductors、Qualcomm、STMicroelectronicsの6社が株主である合弁会社のQuintaurisだ。RISC-Vの標準化を促進するほか、RISC-Vコミュニティーと政府機関との連携もサポートしていくという。
Quintaurisの取り組み対象は車載/非車載のいずれも含むものだが、インフィニオンは特に車載マイコンを対象にした活動を行っている。その一例がソフトウェア開発を支援するバーチャルプロトタイプ環境の構築だ。Synopsysのツール群をベースとしたもので、ハードウェアができる前からサーバ上でそれを再現してシミュレーションできるので、早い段階でソフトウェア開発を進められる。ハードウェアができた後も検証が簡単に行えるほか、特定箇所の故障の再現も可能だ。
Cassol氏は「車載マイコンのトップの地位を、RISC-Vの採用によって維持していく。さらに標準化にも取り組むことで、インフィニオンだけでなく業界全体で使えるものに育てていきたい」と締めくくった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
「SDV実現の鍵」車載RISC-Vマイコン開発でInfineonが狙うもの
「RISC-Vはソフトウェア定義車(SDV)実現の鍵だ」――。Infineonはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2025」において、数年以内のローンチに向け開発を進めるRISC-Vベース車載マイコンによる狙いや計画について紹介した。「メモリ密度は倍」独自PCM搭載の車載MCUを25年末に量産へ、ST
STMicroelectronicsが、独自の相変化メモリ(PCM)技術に基づく最新メモリ技術「xMemory」搭載した、新しい車載マイコン「Stellar」シリーズを発表した。今後発売する全てのStellar PおよびGシリーズ製品にxMemoryを採用する予定で、まず「Stellar P6」を2025年末ごろに量産開始する。ゾーンSDVアーキテクチャを進化させる車載MCU
NXP Semiconductorsは、さまざまなゾーンSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)アーキテクチャに対応できる車載マイクロコントローラ(MCU)「S32K5ファミリー」を発表した。半導体メーカーの「悲喜こもごも」 絶好調のTSMC、人員削減のST
STMicroelectronicsは2025年4月、製造拠点と従業員の再編を全社的に実施することを明らかにした。またInfineon Technologiesは、Marvell Technology(以下、Marvell)の車載イーサネット事業部門を25億米ドルで買収すると発表している。MarvellがInfineonに車載イーサネット事業売却、25億米ドルで
Marvell Technology(以下、Marvell)が、同社の車載イーサネット事業を25億米ドルでInfineon Technologies(以下、Infineon)に売却する。Marvellは注力するデータセンター事業に開発資源を投入し、競争力を強化していく方針だ。