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ワイヤボンディング対応、パワー半導体用NTCサーミスター:自動車のパワートレインに適用
村田製作所は、自動車のパワートレインで利用できるパワー半導体用NTCサーミスター「FTIシリーズ」を発表した。使用温度範囲は−55〜175℃を保証しており、パワー半導体の近くに設置して、上昇する温度をより正確に計測できる。
樹脂モールド構造かつワイヤーボンディングに対応
村田製作所は2025年5月、自動車のパワートレインで利用できるパワー半導体用NTCサーミスター「FTIシリーズ」を発表した。使用温度範囲は−55〜175℃を保証しており、パワー半導体の近くに設置して、上昇する温度をより正確に計測できる。
電動化が進む自動車では、高出力で高効率のパワー半導体が搭載されている。ただ、パワー半導体は発熱量が大きく、熱による破損リスクなどを回避する必要がある。その対策として、パワー半導体の温度上昇をサーミスターで検知し、必要に応じて冷却装置を動かしたり、動作を制限したりするなどの対応を行ってきた。ところが、従来のサーミスターは高電圧に対応できず、パワー半導体から少し離れた位置で温度を検知していたという。
今回発表したFTIシリーズは、樹脂モールド構造かつワイヤーボンディングに対応した製品である。樹脂モールド構造によって絶縁性を確保し、パワー半導体と同一のパッド上に直接配置することが可能となった。しかも、ワイヤーボンディングでサーミスター用のパッドと接続することができるという。
新製品はSMD(表面実装デバイス)タイプで外形寸法は2.0×1.25mm。抵抗値(25℃)は5kΩ±1%、B定数(25℃/50℃)は3380K±1%である。
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