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016008サイズのチップインダクター開発、村田製作所:モバイル機器用各種モジュール向け
村田製作所は、世界最小クラスとなる016008サイズ(0.16×0.08mm)のチップインダクターを開発、試作に成功した。小型モバイル機器用各種モジュールなどの用途に向ける。
従来の0201サイズに比べ、体積を約75%も削減
村田製作所は2025年1月、世界最小クラスとなる016008サイズ(0.16×0.08mm)のチップインダクターを開発、試作に成功したと発表した。小型モバイル機器用各種モジュールなどの用途に向ける。
電子機器は高機能化や小型化が進む。これに伴い、電子部品の搭載点数が増え、高密度実装に対する要求も高まる。例えば、最新のスマートフォンには数百個のチップインダクターが搭載されているという。
こうしたニーズに応えるため村田製作所は、チップサイズの小型部品開発に注力してきた。2024年9月に発表した世界最小クラスのサイズの積層セラミックコンデンサーに続き、今回は016008サイズのチップインダクターを開発した。これまで最小サイズであった0201サイズ(0.25×0.125mm)に比べ、体積を約75%削減した。
試作品は、米国ネバダ州ラスベガスで開催されている「CES 2025」(2025年1月7〜10日)で展示中だ。サンプル品の供給時期は未定。
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