Xiaomiが独自開発の3nmチップを正式発表、トランジスタ190億個を集積:Arm CPU10コア、GPU16コア搭載
Xiaomiが、独自開発のスマートフォン向け3nmプロセス採用SoCを正式に発表した。最先端の第2世代3nmプロセスを採用し、最大動作周波数3.9GHzのArm Cortex-X925コア2つを含む10コアのCPUおよび16コアのArm Immortalis-G925 GPUなどを搭載。スマートフォンの性能を数値化する「AnTuTuベンチマーク」で300万スコアを達成しているという。
Xiaomiは2025年5月22日(中国時間)、独自開発のスマートフォン向け3nmプロセス採用SoC(System on Chip)「Xiaomi XRING O1」を正式に発表した。最先端の第2世代3nmプロセスを採用し、最大動作周波数3.9GHzのArm Cortex-X925コア2つを含む10コアのCPUおよび16コアのArm Immortalis-G925 GPUなどを搭載。スマートフォンの性能を数値化する「AnTuTuベンチマーク」で300万スコアを達成しているという。
同日、中国で開催した製品発表イベントの中で発表。同時に発表したXiaomiの新型スマートフォン「Xiaomi 15S Pro」とタブレット「Xiaomi Pad 7 Ultra」に搭載される。同チップについては、Xiaomi会長兼CEOである雷軍氏が2025年5月19日、SNSでその発表を予告したことを受けて国内外のメディアが報じ、話題となっていた。報道によれば、TSMCの最先端の第2世代3nmプロセスを採用。搭載トランジスタ数は190億個に上る。
Xiaomi 15S Proに搭載されるXiaomi XRING O1のCPUはArm Cortex-X925を2コアの他、3.4GHz動作のCortex-A725を4コア、1.9GHz動作のCortex-A725を2コア、1.8GHz動作のCortex-A520を2コアの計10コアで構成。16コアのArm Immortalis-G925 GPUと合わせ「業界をリードする電力効率でフラグシップクラスのパフォーマンスを実現する」としている。このほか、Xiaomiの第4世代ISPおよび、44TOPSというAI処理性能実現する6コアのNPU(Neural Processing Unit)なども搭載しているという。
初の4GスマートウォッチSoCも発表
またXiaomiは今回、独自開発の4Gベースバンドを搭載した初の4GスマートウォッチSoCである「Xiaomi XRING T1」も発表した。同チップは、eSIMをサポートし、高いバッテリー効率を実現。「7000回以上のラボテストと、100以上の都市で1年以上にわたって行われた実環境でのチューニングに裏打ちされたこのチップは、音声通話とデータ通信の消費電力を抑えながら、4G性能を競合他社よりも35%向上させている」などと説明している。
Xiaomiは、今回発表した2つの新チップについいて「技術的なマイルストーン以上のものであり、コア技術のリーダーになるという当社の長期的なコミットメントの表明でもある」などと強調。同社はこれまでに135億人民元の研究開発費を投入し、今後10年間で500億人民元を投資する計画で、2500人以上のエンジニアを擁しているといい「当社はチップ開発における高度で持続的なイノベーションに取り組んでいる。チップ開発は現在、当社のコア基盤技術であるOS(オペレーティングシステム)、AI、チップに完全に統合されていて、ハードウェア、ソフトウェア、ユーザー体験を1つのビジョンの下で一体化させている」などとコメントしている。
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