コンチネンタルが半導体を自社開発へ、製造はGF:「半導体開発への投資が不可欠」
ドイツの自動車部品大手Continentalが、自社向けに車載半導体を開発する新組織を設立した。設計と検証を自社で行い、GlobalFoundries(GF)が製造パートナーとして製造する。
ドイツの自動車部品大手Continentalは2025年6月23日(ドイツ時間)、オートモーティブ部門が、自社向けに車載半導体を開発する新組織を設立したと発表した。GlobalFoundries(GF)が製造パートナーとなる。
自動車業界では、ソフトウェア定義車(SDV)向けの電子コンテンツを強化するため半導体に対する需要が高まっているという。Continentalはプレスリリースにおいて、世界の自動車用半導体市場が2032年までに約1100億ユーロに達するとする予測を示し「長期的な成功には半導体開発への投資が不可欠だ」と説明。今回、地政学的リスクの軽減や、製品品質向上および市場投入までの時間短縮による市場プレゼンスの強化などを図り、新組織「Advanced Electronics&Semiconductor Solutions(AESS)」を設立したとしている。
AESSでは車載半導体の設計/検証を実施。生産ラインはGFに設置されオートモーティブ部門向けに製造する。Continentalは「大手半導体メーカーと提携して半導体の設計/生産管理の能力を構築することで、市場での存在感と自律性を向上する」と説明している。
Continentalはオートモーティブ部門を2025年9月に新会社Aumovioとしてスピンオフする計画だ。Continentalの取締役会メンバーで、AumovioのCEOに就任予定のPhilipp von Hirschheydt氏は「Continentalは持続可能な成長を目指しており、オートモーティブ部門は成功への正しい道を歩んでいる。同部門の将来の成功を確実なものにするため、半導体を自社開発することを決定した。自社製造を必要としない専門的な半導体部門を設立することで、当社の地位を強化し、地政学的リスクと依存関係を軽減する」と述べている。
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