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2027年に40Tバイト級の3.5型HDD製品化へ、東芝D&S:磁気ディスク12枚実装の検証に成功
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は、HDDの大容量化に向けて12枚の磁気ディスクを実装できる技術の検証に成功した。この成果を活用し、2027年にはデータセンター向けに容量が40Tバイト級の3.5型HDDを市場投入する計画だ。
メディアを従来のアルミ基板からガラス基板に変更
東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)は2025年10月、HDDの大容量化に向けて12枚の磁気ディスクを実装できる技術の検証に成功したと発表した。この成果を活用し、2027年にはデータセンター向けに容量が40Tバイト級の3.5型HDDを市場投入する計画だ。
同社は現在、3.5型フォームファクターに10枚の磁気ディスクを実装した大容量ニアラインHDDを供給している。HDDのさらなる大容量化には、実装するディスク枚数を増やす必要がある。そこで今回は、同一フォームファクターのまま、磁気ディスクを2枚追加できるよう設計した。
しかも、磁気ディスクをより多く実装するため、メディアを従来のアルミ基板から、耐久性に優れ薄型にできるガラス基板に変更した。これによって機械的な安定性や面内精度を高め、高密度化と信頼性を向上させることに成功した。今回の研究成果と現行の磁気記録技術「マイクロ波アシスタント磁気記録(MAMR)」を組み合わせることで、40Tバイトという大容量化を実現していく。
将来は、次世代の大容量記録技術である「熱アシスト磁気記録(HAMR)」と磁気ディスクの12枚実装技術を組み合わせることによって、HDDのさらなる大容量化を目指すことにしている。
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