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人工知能(AI)が牽引するHBM系DRAM市場福田昭のストレージ通信(292) 半導体メモリの行方をアナリストが解説(2)(1/2 ページ)

2025年8月に米国で開催された「FMS(the Future of Memory and Storage)」の講演を紹介する。今回は、TrendForceのシニアバイスプレジデントを務めるArvil Wu氏の講演概要を説明する。

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DRAM市場とDRAM技術を2026年まで展望

 2025年8月5日〜8月7日(米国時間)に、半導体メモリとストレージに関する世界最大のイベント「FMS(the Future of Memory and Storage)」が米国カリフォルニア州サンタクララで開催された。「FMS」はキーノート講演や一般講演、展示会などで構成される。リアル参加のみのイベントであり、オンライン参加はできない。

 このほど、キーノート講演のビデオと一般講演のスライドがFMSの公式ウエブサイトで公開された。数多くある一般講演の中から、半導体メモリの市場動向と技術動向を著名なアナリストが解説した概要を、前回からシリーズでご紹介している。なお本記事は講演スライドの内容をご報告しているので、講演の詳細とは一致しないことがある。あらかじめご了承されたい。

 前回は半導体メモリとフラッシュストレージに対するユニークな視点で知られるアナリスト、Jim Handy氏の講演を簡単にご報告した。講演タイトルは「Memory and Storage, Current Status and Future Projections(メモリとストレージの現状と将来)」である。講演のあったセッションの名称は「BMKT-101-1: Market Analyst Panel」(市場アナリストによるパネル討論)であり、FMSのプログラムによると5人のアナリストが参加している。講演スライドを公表したのはHandy氏を含めて2人だけだ。

 今回はこのセッションでの講演スライドを公表した残りの1人、市場調査会社TrendForceのシニアバイスプレジデントを務めるArvil Wu氏の講演概要をご説明する。講演タイトルは「Exploring the Future: DRAM Market and Technology Outlook(未来を探る:DRAM市場とDRAM技術の展望)」である。具体的には、DRAMの市場動向と技術動向を2026年まで予測した。

FMSの「BMKT-101-1: Market Analyst Panel」セッションでArvil Wu氏がスピーチした講演のタイトルスライド
FMSの「BMKT-101-1: Market Analyst Panel」セッションでArvil Wu氏がスピーチした講演のタイトルスライド。タイトルは「Memory and Storage, Current Status and Future Projections(メモリとストレージの現状と将来)」[クリックで拡大] 出所:2025 Proceedings of FMS(以下同じ)

 講演スライドの順番とは逆になるが、結論(コンクルージョン)一覧のスライドが最も簡潔かつ分かりやすいので、本記事では最初に示そう。結論は4つの項目に分かれている。1)HBM、2)サプライヤによる競合状況、3)先端技術への移行、4)DRAM価格、である。

Arvil Wu氏による講演の結論(コンクルージョン)一覧
Arvil Wu氏による講演の結論(コンクルージョン)一覧。4つの項目がある。1番はHBM、2番はサプライヤによる競合状況、3番は先端技術への移行、4番はDRAM価格[クリックで拡大]

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