車載カメラの小型化を実現、日清紡マイクロの4ch複合電源IC:4系統の電源を1パッケージに集約
日清紡マイクロデバイスは、車載カメラモジュールに向けた4チャンネル複合電源IC「NP8700」シリーズを発売した。4つのレギュレーターを1パッケージに集約していて、周辺部品の削減や実装基板の省スペース化を可能にした。
低ノイズが要求されるブロックにはLODから供給
日清紡マイクロデバイスは2025年10月、車載カメラモジュールに向けた4チャンネル複合電源IC「NP8700」シリーズを発売した。4つのレギュレーターを1パッケージに集約していて、周辺部品の削減や実装基板の省スペース化を可能にした。
車載カメラモジュールは、天井やミラー、コンソールなどに組み込まれ、運転者の監視や後部座席の検知、ジェスチャー操作など、車室内におけるさまざまな用途で活用されている。このため、より一層の小型化や薄型化が求められている。
NP8700シリーズは、CMOSセンサーや周辺制御に必要な4系統の電源を1つのパッケージに集積した。例えば、チャンネル1には中耐圧(入力電圧範囲は3.9〜20V)で出力電流が1.2Aの「降圧同期整流レギュレーター」を、チャンネル2には低耐圧(同2.4〜5.5V)で出力電流が1.0Aの「降圧同期整流レギュレーター」を、チャンネル3は低耐圧(同2.4〜5.5V)で出力電流が1.0Aの「降圧同期整流レギュレーター」または出力電流が0.2Aの「LDO」を選択でき、チャンネル4には低耐圧(同2.4〜5.5V)で出力電流が0.2Aの「LDO」を、それぞれ内蔵している。
このため、低ノイズが求められるブロックに対してはLDOからの出力を供給することで、安定した画質が得られ高信頼の動作を実現した。また、チャンネル1の降圧レギュレーターは同期整流方式とした。従来のダイオード整流方式に比べ部品点数を削減することが可能となった。さらに、幅広い用途に対応できるよう出力電流の仕様を見直した。スペクトラム拡散機能によるEMI性能の改善や、立ち下げシーケンスの設定など、使いやすさも向上させた。
パッケージは外形寸法が3.4×2.6×0.75mmのQFN2634-26-NCで供給する。1000個購入時のサンプル単価は275円だ。
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![NP8700シリーズの応用例[クリックで拡大] 出所:日清紡マイクロデバイス](https://image.itmedia.co.jp/ee/articles/2510/27/tm_251027nissinbo02.jpg)